第20話

ずいぶん前にお客さんに箸遣いを褒められたことがあって、

「親御さんに愛されてるんだね!」

って言われたことがあって、思い出すと今でも腹が立つのですけれど。


だって箸の使い方なんて記憶にある限り教えてもらったことありませんからね

五歳まで鹿児島にいたので、もしかしたら祖父に教えてもらった可能性はなきにしもあらずですけれども


じゃあ伽藍が親に教わったことって何だろうってなるとあんまり覚えてないので、メモ書きすると

ごはん茶碗は左、お味噌汁は右、とか

寝るときに枕を北に向けない、とか

箸と箸でものを渡さない、とか

あと新しい洋服? 靴? をおろすのは午前か午後かどっちかにしなさいみたいなのもあった気がする


そんなもんなんです。というかいま思い出してたけど本当にこれくらいしかない

これが父親で、母親となると本当にさっぱり。

食事マナーにかかわる部分は知らないと恥をかくのは確かなので、まあ悪いことではないんですが

ほんとうに、これだけなんだよなあ、、うん、、


伽藍さん本当にしつけらしいしつけを受けずにきたものでね。いまだにひとのまえでどんな風にふるまえばいいのかわからないのです


考えてみればこれ全部、お葬式に関することなんですよね

お葬式のときにはこうするから、普段の生活ではやっちゃいけない、みたいな

それに気づいて、なんだかそれが面白かったのでメモしにきました

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