第10話
たまに思うんですけど、本当になんでわたしはこんなふうに生きてるんだろう…。
とても小さなころ、お昼寝してるときに起こされてすぐに起きなかったからという理由で父親に腹を思い切り蹴飛ばされたとき、思ったのは「この男を殺さなければ」だったよ。きっかけさえあればわたしはいつでもあの男を殺す気だったのです。
なんででしょうね。母親が父親と再婚する前は、別に暴力に晒されてたって訳じゃない(たぶん。もしかしたら母親からは受けてたかも知れないけど少なくとも記憶には残ってないな)。なのに、反射的に湧き上がってきたのが殺意だったのです。不思議ですね…
でもけっこうわたし遊びまわってたし、攻撃的な性格だったので敵も多かったけど友人もいたし、わりとそれなりの人生を歩んできた気がするのです。あの家庭環境でだよ。何回思い返しても自分で自分の意味がわからない。何をどうしたらそんな人生を送れるんだろう。まああんまり普通の性格じゃないってのは自覚してますが、それでもけっこうまともな道を歩いてる気がします
何でだろうね。不思議です。もう一回生まれ直して、同じこと出来るかって絶対無理です。殺しちゃう。その代償のように、何にも興味もてない、自分自身に何もない空っぽの人間が出来あがった訳ですが。
不思議ですね。
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