第8話

いま、つらっと友人と奨学金について話していたので、忘れないうちに。

奨学金って、いろいろと問題になってますよね。たぶん、「奨学金」という名称がよくないんだと思う。奨学金は返さなくちゃいけなくて、要するにただの借金です。もうちょっといい言葉を使うなら、ローンと言い換えてもいい。

奨学金ってのは、借金で、ローンで、でもそれって未来のためです。自分のためです。要するに投資ですよね。自分のために投資をする。何も悪いことじゃありません。大学に通いたいのに学費が足りないという状況なら、奨学金を取ってでも通った方が良い。大学に通うことが将来どんな風に役に立つか、それとも役に立たないかは別としてね。

わたしは奨学金をとりませんでした。途中から給付型の奨学金をとりましたけど、最後まで貸与型の奨学金はとらなかった。高校出てから一年間働いた分の貯金と、バイトで稼いだお金と、それから貰った奨学金(これがめちゃくちゃ助かった)で四年間払いきりました。

だって奨学金って、借金でしょう。借金ってね、恐いんです。だってわたしにはセーフティーネットがないんです。失敗したら真っ逆さま。それで終わり。一歩踏み外したら奈落の底。そんな自覚があるのに、借金なんてとてもじゃないけど出来ません。

で、いまちょっと冷静になってみて。改めて考えたときに、奨学金を借りられるかなあって考えてみました。わたしの友人は、奨学金を借りるくらいは恐がることじゃないと言った。未来への投資で、それって自分のためでしょうと。奨学金で借りるくらいの金額なら問題なく返せると。

でも、わたしはまだ無理ですね。だってわたしは未来を信じられなくて、自分に投資だなんてとてもじゃないけれど恐ろしくてできない。未来で取り返すよりも、現在で足を踏み外す可能性のほうがずっとずっと高く感じるんです。借金なんて恐くてできないんです。

みなさんはどうですかね。奨学金、借りられます?

わたしもいつか、考え方が変わることがあるかしら。今すぐじゃなくても、いつかの未来でも。今はまだ判らないけれど。

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