第6話

場所は書かないでおくけど、わたしの体には火傷のあとが残っている。もうだいぶ薄くなって、普段は完全に忘れてるけどね。たまに思い出すくらい

わたしが赤ん坊のころ、母親が油を使って料理をしているときに発作を起こしたのに巻き込まれた名残です。全く記憶にないけどね。ちなみに母親は、片腕から肩にかけて? もっとかな。範囲は詳しく覚えてないけど、けっこうがっつりケロイドになってた。

あくまでひとに聞いた話だからどこまで本当かはわからないけど(誰に聞いたかは覚えてない。母親だったとしたら、ますます信憑性は怪しいものだ)、当時は結婚してたのかな? してなかったのかな?(でもわたしの元の苗字が母の実家の苗字と違うのだけは確かだ)少なくとも母親の実家は出て暮らして、わたしを育ててた。ちなみに血の繋がった父親の話は何も聞いてないから、そのとき一緒に暮らしてたのかもわからない。予想だけどたぶん母親とわたしだけだったのではないかと思われる。けど母親に自分と子どもの生活費を稼ぐ力があるとはどうしても思えないので、いま考えるといろいろと謎だらけですね。気づいた。どうやって生活してたんだろう

ちなみにその件をきっかけにして母親は実家に連れ戻されたらしいですが。本当に、わたしよく生き残ってたな! 精神的な意味でもそうですけど、普通に物理的な意味でもね。うっかりいろんな要因で殺されててもなんの不思議もないわ

少なくとも母親に、子どもを育てる力はなかった。その結果がわたしだ。まあ仕方ない。けどねえ、これから子どもが欲しいというひとがいるなら、とりあえず言っとく。本当に子ども、育てられますか? わたしは無理だな。子どもはねー本当にね、親を恨むよ。生んだことを恨むよ。育てたことを恨むよ。途中で殺してくれなかったことを恨むよ。だってね、自分で死ぬことなんてわたしには怖くて出来なかったんだもの

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