第5話 フィアンセの家に到着
着いた場所は意外に山の奥深かった。気がつけば眠ってた。もしかして、3時間くらいはたっぷり眠っていたのか、辺りは真っ暗だった。
山の中だけに、乾いた空気が、驚くほど冷たくなり始めていた。
暗い場所に車が停まっているせいで、恐る恐る保は、ドアを開けてそろそろと美貴の呼ぶ方へ注意深く行くと、庭から、明るい入り口がやっと見えた。
美貴が何やら声をかけ、フィアンセがスーツケースを運んできて、トン、と床に置いた。なんだか保はイラッとした。そんな重いものを、軽々と持つなよ。
どうやらフィアンセのお父さんとお母さんらしかった。まあまあ、よく来てくれたわね、というようなことをお母さんは言った。年齢的には。。。50歳くらいだろうか?それとももっと上?外国人の年齢はわからない。
肩までのグレーの髪に、ほっそりした背の高い人だった。この人が美貴姉ちゃんのお姑さんになるのだな、なんとなく保は、美貴に合ってる気がした。
嫁姑。。。保は、インターネットの掲示板を密かに覗き見て、いろんな確執があるのだな、と思ったことがある。思わず何か意見を書き込もうとして。。。辞めた。別に僕だって、言わなきゃ、まさか小学生とはバレないさ。そうは思ったけれど、他人の不毛な争いに首突っ込むのも馬鹿馬鹿しくなったから止めたまでで。確かにそういう一般的な。。。結婚生活でない方が彼女らしいな、と保は思った。
フィアンセのお父さんは、若い頃は息子と似ていたのかもしれないが、少し太っていた。たぶん。。。50歳過ぎぐらい?保は、年齢なんて考えても意味ないか、と考えるのを止めた。平たく言えば、目の間にいるのは自分の知らない外国人のおじさんとおばさんだ。それでいいじゃないか。
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