2016 4月 反

大学の前期試験は面接でした。将来について思いを巡らせていればいるほどに、裏切られた時のショックが大きいというのは皮肉なものです。


そうして僕は第一志望の大学には手が届かず、滑り止めの私立に行くことになりました。


憧れていた人と同じ進路をとることによって安心していた僕にとって、憧れていた人と違う進路を進むことは、とてつもない不安感と、失敗の念を永久に抱えることと同義だったのです。「僕はあの人のようになれない」そうした絶望感が、確かな現実を証拠に、僕の中で自然に大きくなりました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る