2016 3月 夢

こんな夢をみた。

どうやら引越しをするらしい。そんな引越し前夜のことである。自身かパラレルワールドにいる感覚をもって現実を乗り越えようと必死であった。片割れの自分が成功の一途を辿っていて、笑顔を見せていることを信じて、「失敗例」の自分が存在してしまっていることを許した。本来呪うべきところを、私のエネルギーが不足しているが故に呪うことすらできない状態であった。幾多にも分かれる人生の分岐点の中で、私の操作できる運命の歯車は無残にも砕け散って、パチンコの玉のように重力に任せて運命を偶然性に託す以外に時間軸の先に進む力は無かったのであった。多くを語ることが許されない、鎖された日々の中で、葛藤を生む気概も生まれぬまま、父の口から発せられた事物にうんうんと耳を傾け、そして従うより私を動かす術は無かったように思える。そうしたことも踏まえて、総括してこれまでを考えると、父のことを考えた時に、数々の思念が中庸を探そうと駆け巡る。

父は庭師である。頑硬な性格として特徴を紹介する程でもないが、私が見る限りは頑硬であり、説得は難しいけど人物だった。私が発する所々の意見は、尽く父にねじ伏せられるケースが多かった。しかし私は私自身の反抗期というものをあまり感じなかった。反抗するのはいつだって母であった。田舎育ちで、頭ごなしに口を出す母。そんな母が私を説教している様子を見ていた父は、自身の幼少期に姿を重ね合わせてやれやれと言った表情を見せていた。そういうこともあって、父よりは母に反感を抱いた。

父と母、祖父と祖母、弟の六人家族で育った私は、どちらかといえば周囲に恵まれて、支えてもらった経験が多い。


家族の為に、財政の為に自分の人生を捨てるか。


ジブンヲコロス。そうしなければ。


自分が殺されていく感覚がした。

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