第4話 昔話はディナーの前に
あの日・・・
たった一人の私を変えてくれたあの日・・・
私の世界が色づき、回りだしたあの日・・・
自ら地獄に落ちようとしたあの日・・・
私の運命を変えたあの日・・・
私は彼に出会った・・・
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日本列島 砂漠地帯
「ソフィア?!」
「え・・・、夢人・・・?」
二人はその場で棒立ちで固まる。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「えええええええぇぇぇぇ!!」
「ソフィア、どうしてここに?火星に行けたんじゃ・・」
「夢人こそどうして・・・」
「え?夢人、ソフィア様を知っているのか?」
「ソフィア様?」
「まあ、とりあえず座りましょう・・・・・」
ソフィアの言葉で三人は、椅子にこしかけた。
「あの時と全然変わらないわね。もう何年前のことかしら・・・・・」
「あの頃は楽しかったなー」
「二人とも知り合いだったんですか?」
「ああ、僕の高校にソフィアが引っ越してきたんだ」
「あなたとの出会いは今でも忘れないわ・・・・・あのときの・・・ww」
「あれ・・・・・なんか・・・寒気が・・・・」
「だって、あの状況であんなことが言えるなんて、あはははははwww」
ソフィアは笑いだした。
「ソフィア様それはいったいどうゆうことですか?」
「ふふ・・、ディナーの前に少しだけ・・・・・・・」
「昔話をしましょうか・・・・・・・」
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これはまだ地球が青かった時の話。
私は親の仕事の関係で引っ越しが多かった。
半年ぐらいで友達が変わってしまう、そんな生活がいやだった。
友達もいない・・・・・、運動もよくない・・・・・、勉強もよくなかった・・・
何かつらいことがあったりしたらすぐ逃げてしまう・・・・・・
そんな自分がとてもいやだった・・・・・
変えたかったけど変われなかった・・・・・
そんな毎日がいやで死にたくなった・・・・
私は自殺を決意したわ・・・・・
・・・・・・・・・・
この学校にきて早一週間がたった・・・・・
どうせ、いまでとすべて一緒に決まっている。
大切だと思うものができる前に・・・・・
私は消えよう・・・・・
「もう、思い返すことはない。待っているのはきっと天国・・・
さようなら・・・・私・・・・」
「そこから飛び降りて何になるんだ!」
!!
男の人・・・私のクラスの人だ・・・・えっと、たしか夢人君・・・だっけ・・・・
どうしてここに・・・・・・。
「こっちに来ないで!!私はもう死ぬの!」
「なんでそんなことが言える!今すぐやめろ!」
「やめない!私を待ってくれるのは、天国だけなのよ!」
「あんたは!・・・本気でそんなことを言っているのか!・・・・
あんたが行こうとしているのは天国じゃない・・・地獄だ!・・・」
「なんでそうゆうこと、いうの!!あなたには関係ない!!」
「なんでって・・・・」
「君が・・・好きだから・・・・」
!!
「なんで・・・なんで私なんかを好きになれるの!
取柄なんて何一つもない私のことを!」
「なんでって、お前のことを好きになったから・・・」
「ぐすん、あ・・り・・が・・・と・・う。たす・・けて・・くれて」
私はそのあとのことはよく覚えてない・・・
ただ、子供のように泣いた・・・
ような気がする。
まあ、そのあと助けてくれた夢人とつきあうことになるんだけど・・・
・・・・・・・・・・・・・
「って聞いてる?」
「はいw、ただ・・夢人が・・・・ww、尋常じゃないくらいに顔が赤いですwwww」
・・・・・・・
「俺は・・・・なんてことを言っていたんだ・・・・」
夢人が頭を抱えている。その顔はとてつもなく赤い。
「あら、今まで忘れてたの?」
「・・・・・・・ああ、後で考えたら尋常じゃないくらい恥ずかしくなったからな・・・・・無意識のうちに忘れてた・・・・・」
「すごいなwwwwwww、夢人wwwwwww、お前wwwwww」
「マジで恥ずかしい、死にたい・・・・」
「まあ、夢人のおかげで私は今ここにいるんだし、精一杯生きるわ」
「・・・ありがとう・・・」
「ふふ・・・どういたしまして・・・・・・」
・・・・・
夢人、ありがとう。私は今までも、そしてこれからも、あなたのことは、絶対に忘れることはないわ・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
「さて、話の続きだが腹が減ったな・・・そろそろご飯でも食うか。今日は焼き鳥の缶ずめをたくさんたべるぞー」
「そうしましょうか」
「ああ!」
「「「いっただきまーす!」」」
非日常のような地球での小さな晩餐が今、始まる。
灰色と緑と借金と 壱 一朗太 @Amaneko
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