第3話 再会は落ちてくるもの
夢人とアオを乗せた車は、砂漠地帯を走っていた。
容赦なく照りつける太陽に、体の水分は奪われ、思考はすでに停止状態になりそうだ。
クーラーが壊れている車内は、もはや地獄と化していた。
「暑いー、クーラーがほしいー」
帽子のつばを使って、扇ぎながら、アオが言う。
グリーンアース社とブルーアップルについて調べようと決めてから、もう3日もたった。
と言ってもどこに向かえばいいのか全く決まってなく、だた、車を走らせていた。
そのため、どこかわからないところをひたすら走っていた。
「で、結局どこに向かうか、決まってないんんだよなー」
「んー、どうするかなー」
アオが、腕を組みながら答える。
「・・・・・」
「・・・・・」
車内に沈黙が流れる。
・・・・・・・・・・・・
「おい、アオ、あれはなんだ!?」
突然、夢人が叫び、前方を指をさす。
「あれは・・・」
車を止め、2人は車から降りる。
2人の前にあったのは、煙が出ている小型飛行機だった。
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2人が墜落していた飛行機と遭遇する約三時間前
グリーンアース社極東軍事基地
「それでは、操縦・身の周りの世話は、専用のロボットが行いますので心配なさらずに、
お気をつけて行ってらっしゃいませ」
軍事部隊副長がいう。
「なんでこの私が、視察に行かなければいけないのかしらね」
豪華なドレスを着た少女がため息をつきながらつぶやく。
「まあ、社長直々の推薦ですから」
(あの社長は、本当大嫌い!)
「では、行ってまいります」
「社長の娘として、頑張ってきてください、ソフィアお嬢様」
「・・・・・・・・ええ、・・・・」
ソフィアは、ゆっくりと飛行機に乗り込む。
その表情は、少し悲しげであった。
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飛行機墜落現場
「これは、グリーンアース社の小型飛行機だな」
アオが、探偵のように手を顎につけてつぶやく。
「そうなのか、不時着したようだけど、その割には機体の損傷が少ないな。」
「なぜこんなところに・・・」
見た限り、墜落した飛行機の全長は、約12〜13m。
翼には、青い海と緑の大地の地球のロゴがプリントされている。
「グリーンアース社の飛行機は、頑丈な作りになっているはずだ。
もしかしたら、誰か生きているやつがいるかもしれない」
そう言って、アオは飛行機のドアのようなものに手をかけた。
「夢人ちょっと手伝ってくれ」
「OK」
「せーのっ!!」
ガコン!!
トビラらしきところが開く。
その空いた穴から2人が、飛行機に入っていく。
入口から2~3メートル離れたところに、人影が見えて、二人はかけよった。
そこには、豪華なドレスを着た少女が倒れていた。
「大丈夫ですか?!」
アオが慌てて少女に駆け寄る。
「うぅ・・・」
うめき声が聞こえる。
「夢人!毛布!」
アオが叫ぶ。
「毛布?OK!」
夢人が車に向かって走り出した
「この人は・・・!」
アオは、ここにいる人が誰かなのかすぐにわかった。
「毛布持ってきたよ!」
夢人が戻ってくる。
「よし、慎重に車に運ぶぞ!」
「OK!」
2人は毛布の上に少女を乗せ、ゆっくりと自分たちの車に運び込んだ。
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「目覚めなさい、選ばれし者、ソフィアよ」
すやー・・・・・・・・・・・
「目覚めなさい」
すやー・・・・・・・・・・・
「どこの世界の姫も、王様のキスがないと起きれんのか?!もしもし〜聞こえますか〜」
女神がソフィアに向かって喋っているが、ソフィアは全く起きない。
「もう、起きないからいいや、もったいないね〜」
ソフィアの寝ているところに穴があく。
「バイバイ〜」
ソフィアが穴に落ちる。
その衝撃で、ソフィアは目を覚ました。
「えっ?ちょっ、なんで私落ちていってるの〜?!」
地面が近づく。
「ぎゃー、死ぬーーーー」
「ああああーーーー」
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「ああああーーーーー」
ソフィアは暗い、車の中で目覚めた。
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・体が重い・・・、それにさっきの夢は何?」
ソフィアは、ゆっくりと体を起こした。
「ここどこ?私、飛行機に乗っていて・・・それで・・・」
ゆっくりと回りを見渡す。
時刻は、夕暮れどきのようだ。
ガチャ
車の扉が開く。
「目が覚めましたか?ソフィアお嬢様」
青い作業服を着た青年が喋った。
(誰?私のことを知っているみたいだけど)
「あなたは、誰?」
そう質問すると、青年は姿勢を正した。
「はい!私は、グリーンアース社極東支部、一般戦闘課第18警備部隊所属のアオであります!」
アオと名乗った青年は、ソフィアに敬礼をした。
「そう、うちの会社の戦闘員なのね、ではここは極東支部施設かしら?」
ソフィアが尋ねる。
「いえ、ここは日本列島にできた、砂漠です」
「そう、とりあえず水を頂けるかしら?」
「はい、ではお手数ですがこちらへ、
ついでに何があったのかを教えてください」
「ええ」
そう言うとソフィアは、車から降りた。
もう1人の青年が、キャンプの準備をしている。
「体調はどうでしょ・・・」
ガッシャーーーーーン!!
青年は、持っていた皿を落とした。
「ソフィア?!」
太陽の光に包まれた砂漠に夢人の声が響いた。
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