第22頁目 

 モアイの印象がとても強い、暗黒(くらい)さんに、見つめていた不思議に見える引っ越したアパートの事について聞いてみた。

「オレ達が住んでいるアパートに、ちょっとした疑問があるのですが、ちょっと聞いていいですか?」

 オレは、オレ達の住むボロアパートに指を差す。

「ほう。アパートの疑問ですか?どんな疑問ですか?」

 しゃくれたアゴが魚の口のように動くモアイ。うまく聞き取れない声。

 《ひょう。アバウトの技法ですが?みょんな祇園ですか? 》

 って言ってる?もしかして?

 オレの耳に伝わる意味不明な空耳、はっきりとしない訳の分からない言葉。

 暗黒(くらい)さんは、やさしさたっぷりの逆Uの字の、波打った目でやさしく対応してくれている。

 なんとか少ない脳を振り絞って言葉を解読しようとしているオレ。

 短い言葉だと通じるかもしれないが、

 通じているようで、全然通じていない・・・

 お初に話した時は、確かに通じていた。

 だが、今はオレの耳には通じなかった。

 こんなに いきなり通じなくなるものか?

 それとも、オレの伝わる耳の振動が耳鳴りを起こしているのか?

 多分、「 しゃくれ 」と言う言葉反応から、多分そんな話し方だろうと言う洗脳反応かもしれない・・・が、聞き取れない。

 多分、さっきも、脳の中でこんな事を話しているのだろうなあぁ

 と言う、予想通訳だったかもしれない

 まあ、適当に乗り切ろう・・・この会話を・・・

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