第23頁目 

「ん?どうかした??」

 考え事をしていると、モアイさんがオレの事を心配してくれた。

 えっ?ん?。いや。あれ?。今のは、ちゃんと聞き取れる。

 じゃあ、さっきのは、気のせい?空耳?

 聞き違い?勘違い?思い違い?

 それとも、幻聴?

 ま、まあ、何はともわれ、聞き違いって事で解決しておこう。


 オレは、指を差したボロアパートの方を向く。

「二階が、さっき六部屋あるように見えたんですけど、確かに五部屋ですよね?」

 と、言った言葉に不安を感じつつモアイさんの顔を見る。

 モアイさんは、普通に笑顔でオレの方を見る。

 おおおぉぉぉ!、思わず目が合ってしまったw。

「へぇ、なるほど。あなたにも見えたのか・・・ 確かに、五部屋しかない並びだよね」

「そ、そうですよね。五部屋ですよね?」

「でも、霊感が強いとたまに見える時があるんだよ。幻の部屋を見てしまったなんて、凄いなあ・・・」

「へっ?幻の部屋?」

 オレは、モアイさんの言っている事が理解できなかった。

「普段は、五部屋だけど、でも、見える人には、六部屋目が見えるんだよ」

 え゛!。モ、モアイさん。何を言っているんだ?

「有りもしない、四号室が現れるんだよ。あなたの部屋は、五号室だよね?。

 その隣に部屋が現れたりするんだよ。遠目でしか見えない部屋が・・・」

 いきなり、恐ろしいことを言い出す。モアイさん。

「えっ?四号室は、保池(ぼち)さんの部屋では?」

 オレは、脳の中で疑問が恐怖に変わる。

「えっ?。何言ってるんだ?。保池(ぼち)さんは、三号室だよ。

 四号室は、以前に人が死んだために、それ以来欠番として、部屋に番号は振っててないのさ」

 げ!、な、なななななぁ、、、なんてこったい・・・・

 も、もしかして、昨日の出来事は、オレと保池(ぼち)さんの部屋の間の、幻の部屋から聞こえたって事なのか?、、、なのか?




AD

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る