第18頁目

 安全柵(さく)に両肘を乗せ、ゆるやかに波打つ海を見ていた。

 ふと、耳に聞こえる喧嘩の声。

 喧嘩をしている彼氏に彼女。

 記念碑の前で口喧嘩か?

 耳を傾ける気もしないが、自然に聞こえてくる。

 まあ、彼氏のほうが悪いらしい喧嘩だ。

 ・・・彼女の方を見ると、彼女はとても目が大きく可愛い童顔をしている。

 前髪が癖毛なのか?わざとなのかは判らないが、ふわっとした髪型の前髪の左右が外側に向けて横に広がっている。

 ふわっとして肩まである黒髪・・・頭に光り輝く天使の輪。

 ・・・可愛いな。もし、あの女性に彼氏がいなかったら一目惚れしていたかもしれない・・・。

 ・・・可愛い子だよなあぁぁ

 うん。あの子は可愛い。。・・・


 ・・・ん?えっ?。もしかして、オレって一目惚れしている?

 えっ?、マジになんか心がときめいているのか?・・・

 好きになったのか?もしかして?

 凄い八方美人で優柔不断のオレが一目惚れ?・・・

 ぅん、きっとこれは、きっと何かがあるフラグかも知れない!。

 

 オレは、口喧嘩をしている彼氏の方にも目を向けた。

 いかにも、さわやかな顔に、鼻が高くスリムな身体(からだ)?

 胸板は厚いっぽいな・・・もしかしてマッチョか?

 ジャニーズ系にありがちなホスト顔をしている・・・

 ヘタしたら女性にも見える、しなやかな輪郭だ。

 ん?でも、何処かで見たことがある顔だ・・・

 記憶がまた断片化されているせいで思い出せない・・・

 何処かで会った?何処かで見た?


 彼女が泣いて、去っていく・・・彼氏は追いかける?

 えっ?そっぽ向いて歩いて行っちゃったよ。冷たい彼氏だな。


 まあ、色々とある人生・・・喧嘩もあるよな。

 暇つぶしの人間ウォッチングもたまにはいいかな?


 さ~てと、部屋に帰るか・・・

 ん?なんだこの懐かしい音楽は?

 突然に聞こえた懐かしさを漂わす音楽・・・

 オレは音楽が近場に迫っているのに気づき、キョロキョロとしながら音楽の聞こえる方向を探す。

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