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 私(わたくし)も、ラ・フィーヌ伯母様(おばさま)もル・ジャル伯爵もフランスの中世に生きていた、貴族だった。

 戦争で城が焼かれ、あの世へ行き・・・そして、監視員として私(わたくし)達は、日本に来ているの。

 霊界監視員。人間の悪行を霊界裁判で暴くために設けられた仕事。

 私(わたくし)たちは、死んでも貴族としてとどまっている。

 今は、幽霊貴族だけどね。

 

 私(わたくし)は 20歳でこの世を去り、当時のままの白いドレスに、腰まで靡く(なびく)長い髪・・・けど、身体(からだ)は無色透明に近い白い身体(からだ)。

 そして私(わたくし)の頭には、聖なるカチューシャを装飾している。

 そのカチューシャには、いくつもの光る月型の宝石が眩しいぐらいに輝いている。

 これは、私(わたくし)の大事な宝物・・・いつも、私(わたくし)の前髪で輝いてくれている・・・。

 この宝石は、生前に王家に伝わるお守りらしいんだけど、どんな効果が有るかは、私(わたくし)もラ・フィーヌ伯母様(おばさま)もル・ジャル伯爵さえも知らない。


 あっ!。。自己紹介はさておいて、、、、・・・


 私(わたくし)は今、昨日のラ・フィーヌ伯母様(おばさま)の行動に怒りを覚えている。

『伯母様(おばさま)!。昨日、優紀さんに幻覚(ヴィジョン)を見せたでしょう!?』

『おだまり!私は人間嫌いなのさ。下等動物には、いい気味だよ!!』

『冗談じゃないわ!。優紀さんは、私(わたくし)の大事な男性(ひと)なんだから!』

『また、恋をしたのかい?レミーヌ。およし!、下等動物と幽霊貴族は結ばれません!』

『たとえ、結ばれなくても、限度ってものがあるわ』

『おだまり!あまり下等動物をかまうと、ろくな事ばかりだよ。それでもいいのかい?』

『ええ。それでもいいわ。私(わたくし)、優紀さんが好きなんですもの』

『勝手におし。私は知りませんよ!後で何があろうとも・・・』

 そう言うと、しかめっ面で伯母様(おばさま)が姿を消した。

『ふぉふぉフォフォ・・・まだ、若いのう。まあ、好きにやりなされ・・・』

 そう言って、ル・ジャル伯爵も姿を消した・・・

『 (o ̄∀ ̄)ノ" ぁぃ! 勝手にします!。』

 私(わたくし)は、優紀さんの後を追って捜すことにした。

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