第11頁目

 両眼からも朱く(あかく)濁った血がジワリジワリと滲み(にじみ)出す。

 優紀さんは、ぐったりとして息が止まった・・・

 やがて、眼球が異臭を放ちながら腐り始め、眼球がねっとりとして畳に転げ落ちた。

 ・・・まだ微かに静かに動いている心臓が突然に体内で破裂し、身体(からだ)じゅうの骨という骨が、『 グァグギィ 』と言う鈍い音と共に崩れるように折れていった・・・

 首が半回転し、皮一枚で繋がっている砕けた首には血の気も無い。

 腕が爛れ(ただれ)落ち・・・一瞬のうちに腐乱していく。

 腐乱した腕からは、蛆(ウジ)が数千匹湧いて(わいて)きた。

 蛆は渦を描きながら、鼻につくような異臭を漂わし(ただよわし)、不気味にその身体(からだ)をクネクネと動かしながら腐った肉に溶けていく・・・

 頭はちぎれ、血の海となった畳へと『 ゴトッ 』と鈍い音をたてて落ちた。


『 いい気味だよ!おまえはそのまま地獄へと行くがいいさ 』

 伯母様(おばさま)の苦笑いの声が響く。


 私(わたくし)は、

『すぐのりさん!優紀さん!』

 と何度も叫んだけど、優紀さんには聴こえていなかった・・・


『優紀さん。優紀さん起きて・・・

 よーーし。頬をつねってやれ!』

 ギュッギュウゥゥゥゥ・・・

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