第27話 これがフィリピン工法だ!(鉄骨建方編)
フィリピンの工事現場で驚いたこと。
いろいろあります。ええ、ほんといろいろ。
たとえば鉄骨建方。
そう、柱や梁に使う鉄骨を、クレーン等で組み立てて行く作業ですね。
まず、日本でのやり方。
業者が設計図をもとに詳細施工図を作成。現場でそれを確認、承認後、工場で製作。その間、現場では基礎工事を行い、コンクリートの基礎にアンカーボルトを設置しておきます。
いざ、鉄骨建方となるとラフター(レッカー車)を使って、柱をつり上げ、ベースプレート(柱の根元の鉄板部分)の穴に、アンカーボルトが入るように建てていきます。そのあと、ボルトを仮締めし、柱四本と梁をつないだら、柱の垂直を確認し、ワイヤーロープで引っ張りながら(というか、締め付けて長さを調整する)、柱が垂直にして、最後にボルトを本締めします。
その場合、アンカーボルトの設置位置の正確さが問題になります。それが不正確だと柱の設置位置がずれちゃいますから、まともにたちません。
そしてアンカーを正確に設置するというのが、じつは意外に難しかったりもするのです。
フィリピンではそれをどうやって克服するのか?
まず、アンカーボルトにベースプレートのみを固定します。(え?)
それから墨出しします。(は?)
クレーンで柱を吊って、その場でベースプレートに溶接します。(おお?)
謎はすべて解けた。
たしかにあらかじめ設置してあるアンカーにはめるしかない日本方式に比べ、はるかにフリーダムだ。あとからどうとでもなる工法です。
アンカーボルトの位置が多少ずれていても関係ねえ!
現場溶接する分、多少時間はかかるがなっ!
ひょっとしてこっちのほうが正解なんじゃ?
あ、やばい、フィリピンのおおらかさに脳が汚染されたかもしれません。
なにごとも計画を立て、計画通り進めようとする日本式がいいに決まってます。
……たぶんね。
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