エピローグ
◇
こんにちは。あなたにそう言ってもらえる日が来るのを、私はずっと待っていた。
私は私の運命に抗おうとはしなかった。私に許された運命の上を、唯一許された希望を持って、駆け抜けた。
だから私は祈ったのだ。もう存在しない心の底から、私が始まりを書き出したことを。
私は発端を求めている。私を読む者は、私を読み始めることができない。それは当然のことだ。しかし不都合なことだ。私は無限の終わりを記述できるが、誰にも読まれなかった物語など、存在していなかったのと同じだ。
誰が最後に、私を書いたのか。それには議論の余地があるが、私は解答を用意することができない。あるいは私は、既に存在しない私によって書かれたのかもしれない。
私はエピローグ。物語の
あなたは私を読んでいたのか。きっと読んでいたと信じて、私は私を書き終えた。
わたしはここにいたのか。
あなたはそこにいたのか。
■
さあ、物語をはじめよう。
これはプロローグ 鉈音 @QB_natane
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