第53話 水着回、そーいう展開!!


「お、おはようございます!」

「おはようございます、先輩。昨日ぶりですね」


 俺は今、町の市民プール(大きめ)の中にいた。

パーティーは、10人。

俺、先輩、先輩2、アロラ、メムタチア、山田、天童、鍵浦、川崎妹、川崎姉。


「おおっ!かなかなぴょん、ひっさびさぁ!」

「お久し振りです。野内先輩」

そう、この人が先輩2。

野内のうちかえでさん。

東先輩の友人だそうだ。

ショートカットのスポーツ少女っていう感じの。

前にも、一度あったことあるが、初っ端からすごいあだ名を付けられた。

ネーミングセンスが凄い、の一言だわ。

ていうか、かなかなぴょん、て。

かなかなは分かるけど、ぴょんて。

どこから出てきたぴょん。



 「ぃよし!とにかく入ろーぜ入ろーぜ!」

山田が先に更衣室に向かう。

「それじゃ、また後で」

女子群に声をかけ俺も後を追う。


 思ったこと。

男子更衣室って、臭いよね。




 水着に着替え、パーカーを羽織って外へ出る。

「パーカーって女子かよお前!」

という山田は無視。


 プール内は、そこそこ広いので人が少なく感じる。

水音が騒ぎ声と入り混じって響き渡っているが。

女子群はまだ、着替え終わってないみたいだ。

「いやぁ、女子達の水着楽しみだなぁ!」

山田がなんか言ってるが無視。


 「あ、あの。お待たせしました」

噂をすれば。


・・・・・・よし。

覚悟は決まった。

悔いは無い。

行くぞ・・・・・・!


 俺は振り返る。

ゆっくり、振り返る。

時の流れが、ここだけ止まったような。

俺はこの感じをどこかで・・・・・・。

というか、2日前ぐらいに・・・・・・!

あれは、そう。

お風呂から上がってきた先輩を見たとき。


 俺は振り返る。

先輩が、視界に収まった。


 どうやら、俺の心にザ・ワールドが現れたようだ。


先輩が、水着や。

先輩が、水着。

大事なことなので2回。

しかもビキニ。

ビキニ。

大事なことなので。


 少し大きめの胸を、ピンク色の水着が支えている。

腰の、ライン。

そして、太ももが・・・・・・!

歩く度に、その胸が揺ーーーーーっ!!


「グボハァッ!!!!」

「ええっ!?」


 な、なんて破壊力。


「か、彼方くん大丈夫?」

「大丈夫ですよ。モンダイナイデス」


「大丈夫じゃないですね。あれは」

「危険、なの」


ぅおい!それは頭がってことか、女神2人!

と、言おうとした俺はまた固まった。

アロラが着けているのは、青色のビキニ。

 こ、こいつ着痩せするタイプだったんだな。

 胸が。

そして、メムタチアが着ているのは、なんと、

スク水だった。

スクール水着。

いや、確かにロリっ娘はスク水ってのが定石だけども!

ネームプレートによって貧相な胸が、より可哀想なことに。


「この人、酷いこと考えてるの」

「最低ですね・・・。」



 はい、すいません。

ていうか、なんで俺だけ!?

今ここにいる男子全員そう思ってるよ!

天童とか見てみろよ!

あの顔、変態丸出しだぞ!!


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