第52話 久々の、あれ・・・・・・?


 暖かい・・・・・・。

顔に当たる熱は、これは・・・。

 朝、か。

窓から日光が照ってきているだろう。

雨は、止んだのか。

まだ、起きていない脳でそんなことを考える。


 ところで、顔だけじゃなくて、身体中を熱が包んでいるような。


 ・・・・・・・・・。

目を開ける。

両腕と、お腹に熱が。

あぁ・・・・・・、アロラさんと東さんが。

何でだろう・・・・・・。

考えないようにしようか。


 掛け布団を持ち上げて、体を起こす。

そして俺は違和感に気づいた。

お腹に、重たいなんか・・・・・・おる!

 掛け布団を投げ捨てるとそこに、幼女がいた。


「だぅわぁ!!!」


 俺の声で、3人とも目を覚まし始める。


「あ、あれ?私・・・・・・、なんで、え?」


 記憶無しですか先輩・・・。


「あ、おはようございます?」


 まだ寝ぼけてるなこの女神。


「おはよう、なの」

「おぅ、おはよ」


 幼女、メムタチアが寝ぼけ眼を擦る。

いつも通りの、彼女に対し、残り二人の顔がどんどん赤くなっていった。


「「あ・・・・・・」」


「あ?」


「「き・・・」」


「き・・・?」




「「記憶にありませぇぇぇぇえええん!!!」」


「記憶喪失!!?」

二人は疾風の如きスピードで、部屋を飛び出ていった。

なんだったんだ、マジで。


「あの二人・・・どうしたの」

「いや、お前もなんでこの部屋にいるんだよ」

「・・・なんとなく、なの」

「・・・・・・そうか」


 わけも分からぬまま、俺は寝床を出た。





 「え、えと、ありがとう、ございましたっ」

先輩がぺこっと頭を下げる。

雨も止んだので、帰宅するとのことだ。

俺としては、もう少しいて欲しくもあるんだけど。


 先輩を家の前まで送っていくその帰り、二次を見た。

もとい、虹を見た。

 空に曇はなく、快晴と言うのがぴったりな天気だ。

・・・・・・めっさ、晴れるやん。

熱いわ、これ。


 とりあえず、帰って宿題でもするか。

中2の時に気付いた現実。

夏休みの宿題は、早めにやるのにこしたことはない。

後々、楽しむためにもな。


 ピロン、と携帯がなった。


 天童からだ。

そう言えば番号交換したんだったな。


 メールだ。

内容は、

【明日、皆で海行きませんか?アロラさんも!

どんどん誘って大丈夫だよ!】


 宿題しろよ。

まぁ、行くけど。

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