第17話 朝から、不幸だぁぁああああ!!!!

 合宿2日目の朝がきた。


 「・・・・・・・・・んぅ・・・」

か、体が重いぃ・・・。

意識が覚醒していく。

「なん・・・・・・・・・なんだ・・・」

目を開けると、そこに足が見えた。

・・・・・・・・・ああ?

横を見ると、山田らしき顎が見える。

こ、こいつ・・・・・・・・・。

俺の上にのってやがるっ!!

「ど、どおりで、重いわけだ・・・・・・・・・ぐぅっ」

足で胸を圧迫してきやがるっ。

俺を、殺す気かっ、こいつ!!

「ど、けっ!!」

無理矢理山田を横にずらし、飛び起きる。

「・・・・・・・・・はぁ・・・。朝からこいつは・・・」

 山田は放っておいて、洗面所に向かう。

他のクラスメイトもまだ起きてないようだ。

時間を見ると、

「うわ、まだ4時かよ・・・」

早すぎだろ・・・・・・・・・。

 仕方なし。顔を洗い、新しいジャージに着がえる。

・・・・・・・・・しばらく外でもうろついてるか。


 朝早い宿泊所周辺は少し霧がたちこめていた。

まだ肌寒く、薄暗い。

宿舎が見える位置を歩いていく。

 その時、俺は気付いていなかった。

・・・・・・・・・いや、あるいは気付いていたのかもしれない(まぁ、ホントに気付いてなかったけども)。

目を反らしていたかったんだ。

あと、1歩。

この1歩で、俺は・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・ズボッ。


「    え    」

なんか、足がヌメッとする。

冷たい。

なにこれ。

見ると、

池。

うわ。

マジか。

ええ?

うわぁ。

俺、片足池に落ちてる・・・・・・・・・。


「か、彼方さん!!大丈夫ですかっ!?」

この声・・・、

「アロラ?」

なんかこの合宿でよくアロラと会うな、俺。

「今、助けますからっ!」

アロラが近づいてくる足音が聞こえる。

「おい!気をつけろっ!そこに池がーーーーーー」

「キャアァア!!!」

 ズボッ。


 ・・・・・・・・・マジかよ。


 俺とアロラは朝から風呂に入ることになった。

不幸だぁぁああああ!!!!

とある学生の災難勃発だよ!!


 クソォ、2日目、幸先悪いですわ・・・。



「ぶっはははっははははははっ!!!」

「いや、そんな笑うことないだろ・・・」

「いやいや、彼方ぁ、お前それ笑い話以外の何ものでもないぞ!!面白エピソードだよ!!」

いや、まぁ元はお前の寝相の悪さが引きおこしたんだけどな。

「これから先しばらくそのネタでからかえるぞ」

・・・この野郎!

「2人とも、食べながら喋ってはいけませんよ?」

そしてお前はなぜそう呑気に食べてられるんだ。

さっき、メッチャ池の水飲んだだろ。


 2日目、朝の報告。

池の水は不味かった。


 そして、次のプログラムが始まった


プログラム3:飯盒炊爨

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