第15話 登頂に登場・・・・・・・・・すいません

 草の高さが膝のあたりまできている。

かき分け、かき分けて前に進む。

目の前に飛び出した枝をよける。

 瞬間、突然前のグループが歓声を上げ、走りだした。

俺達も顔を見合わせた。

そして、頷く。

駆け出す。

木をよけ、よろけそうになりながらも走る。

大きな岩を越えた。

 

 そこに、光があった。

目に、眩しいほどの光が飛び込んできた。

登頂が、見えた。

登る。

登る。

これが最後の一歩だ。

登頂についた。

出発より2時間30分。

俺達は、山に登った。

後ろから、続いて登ってきた女子の1人が泣き出した。

つられるようにもう1人の目からも雫がこぼれ落ちる。

大袈裟かもしれない、泣くほどのことじゃないと思うかもしれない。

でも、この時、俺達は、本当に嬉しかったんだ。


「はぁい、降りまぁす」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?

・・・・・・・・・え?

冗談ですよね。

ちょっと休憩とか・・・。

「予想以上に時間かかったんで、急いで降りますねぇ。滑らないように注意しながら来て下さい」

・・・おい。

ふざけんな・・・。

だが、教師は止まらずに下山し始める。

くそぉぉおぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉおおおおおお!!!!!

俺達の感動を返せぇええぇええええ!!!

某主人公のあのセリフみたいに、叫びたい気分だ。

 感動を返せっ!!


そうして俺達は泣く泣く山を下山したのだった。



 思うんだけど、もう風呂入ろうぜ。

んで、寝ようぜ。


だが、まだあるんだな。これが。


 プログラム2:勾玉作り


 いや、なんでそんなん作るんだよ。

思い出作り。

あ、なるほどね。勾玉を思い出の一つとして保管しておいて下さい、と。

担当の人の説明を聞きながら、頷く。

・・・いやいや。

まぁね、そういうのが得意な人はいいんだよ。

でもね、勾玉に興味ない人とかどうすんだよ。

百パーそこら辺の石ころになるわ。

道端に置いといても分からんレベル。

俺だってそんなもんだよ。


まぁ兎にも角にも始まっちゃいました。勾玉作り。

専用の石を小刀なのかナイフなのかよく分からんヤツで彫り、ヤスリで形を整える。

・・・・・・・・・これまた、時間がかかりそうだな・・・。


「はぁ・・・・・・・・・」

しゃーなし、石を彫っていく。

うわ、硬ぇ!!

全ッ然、彫れねぇし・・・。


 これが、ゲームならパパッと出来るんだけどなぁ・・・・・・・・・。

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