第11頁目
「オレは、瑞穂のオモチャじゃないんだぞ!
瑞穂に攻撃ばかり受けているオレは、これでいいのか?
・・・瑞穂に仕返しをしなくていいのか?オレ自身は、これでいいのか?
いいのか? いやオレは・・・」
裕史の不満が怒りとなり、自分自身で解決の出来ない悩みと疑問を自分自身に訴えかける。その瞬間、陽気に楽しく賑(にぎ)やか元気に騒いでいる疑問符達の笑顔が突然に急変し、激怒の表情へと変わり、態度までが凶暴化し、暴走を始めた。
疑問符達は一個体に融合すると、少しずつ膨張させ、急速的に進化を進行させて行った。
裕史は疑問符達の膨張が原因で身体(からだ)じゅうが痺(しび)れだし、まるで感電しているかのような震えを見せ。その痺れが激痛となり。痛みを堪えきれずに地面にうずくまる。
しばらくすると疑問符達の暴走が消え、静まった。その途端に突然裕史の目つきが変わり、マリオネットのような動きで立ち上がり、一歩また一歩と、ぎこちない動きで瑞穂の方へと歩き出す・・・
疑問符の怒りと裕史が今まで瑞穂に虐(いじ)められた怨念を殺意に込めて同調し、最大限の怒りに盛り上げる。
殺意のオーラが漲り(みなぎり)、瑞穂に近づいていく・・・
裕史の異変に気づいた瑞穂は、ジッと睨みつける。
裕史の目が一瞬強張り光りを放った。
瑞穂は光った目に着眼する。
目の色が揺らめき、黒色(ブラック)から淡黄緑色(レモン・グリーン)に変化していく裕史の目。
明らかに誰かに操られていると瑞穂は確信する。
瑞穂は危険を感じ取ると、近づいて来る足の動きを凝視集中した。
別の人格は、裕史の声を代用して瑞穂に向けて叫ぶ。
「おまえを容赦しない!。
オレを痛めつける、おまえが許せない!」
黒板を引っかくような奇声を発すると、爪牙をむき出すような激しい勢いで壊れた自転車(バイク)持ち上げ、瑞穂の真っ正面まで近づき、足を止めた瞬間、自転車(バイク)を瑞穂めがけて力強く振り下ろす・・・
裕史が振り下ろす呼吸の一瞬をつき、半身の構えから左足の脹脛(ふくらはぎ)めがけて勢いよく回し蹴りを喰らわす!。
ずがっ!
裕史はバランスを崩しその場に転倒した。と同時に、持ち上げていた自転車(バイク)から両手を離し・・・自転車(バイク)が裕史の顔面を直撃する。
どがっしゃー~~ん!
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