悩みの値段は?

 本話と次話は『悩みの値段』と、『悩みの賞味期限』についてのお話です。


 もう10年近く前の事。筆者は九州のある大学院で、講師の依頼を受けて、3年ほど講義をしていました。大学院を出て、会社員にならなずに自分で起業したいという学生さんたちに、『失敗は怖くない』という話をするためです。


 毎年、その講義の一番最後に必ず、学生さんたちに話していたものが、『悩みの値段』と、『悩みの賞味期限』です。

 その内容は、悩まずにつき進め! 若者たちよ! とエールを贈るためのもの。

 

 実を言うとそれは、昨年、筆者の愛犬が劇症肝炎を患って死の淵にあったとき、自分自身を励ます言葉でもありました。

 幸いにもその時は、筆者の愛犬は奇跡的に難を逃れました。

 その時の心境はというと、針の穴に糸を通すどころか、穴の無い針に糸を通すようなものでした。


 愛犬が危機を切り抜けた後のことです。筆者は自分自身を励ましたその言葉を、愛犬の闘病記であるブログに書き記しました。

 それは、これから愛犬の闘病に臨まれる方への、エールのつもりでした。


 以下、ブログに書いた内容と同じく、大学院での講義の中から、”悩み” の部分だけ抜き出して、再現してみたいと思います。


 皆さんが悩みというものを改めて考える、切っ掛けにでもなれば幸いです。



――まずは、悩みの値段について――


 皆さんは今、何らかの悩みを抱えているはずです。なぜ僕にそれが分かるかというと、人間はそんなもんだからです。悩みの無い人間は、アホと言いますね。


「もし僕が大金持ちで、君に1億円あげるから、そんな悩み忘れなよ」っていったらどうでしょう? 

 悩みそのものは消えないかもしれませんが、悩みの量と、喜びの量で、帳尻が合って、あなたは不幸じゃなくなりませんか? 

 もしかすると、喜びの方が勝って、幸せになってしまうかもしれませんね。


 それでは金額を減らします。5千万円だったらどうですか? 

 5千万円もあったら、結構な悩みは我慢できますよね。


 それではぐっと金額を減らして1千万円ならどうですか?


 こんな風に、少しずつ金額を下げていくと、たいていの悩みは100万円もあれば相殺できることが分かってきますね。

 では100万円はどうすれば手に入るのか分かりますか?


 今すぐコンビニのアルバイトに応募して、一生懸命に働いたら3か月ほどで何とかなるはずです。

 つまり、あなたが今、何かに悩んでいたら、すぐさまコンビニで3か月アルバイトしなさいという事です。


 簡単でしょう?


――悩みの値段の講義、ここまで――



――本話は、筆者のブログから転載しました――

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