Q.あなたが読んでいるその本はライトノベルですか?
A.んなもん知るか!
はい、ここテスト出ますよ! 具体的には、こんな感じ。
「問.11 次の空欄に当てはまる適切な語句を答えなさい。」
「Q.○○○が読んでいるその本は○○○○○○ですか?」
「A.○○○○○○○!」
こんな感じですかね(適当)。
冗談はさておいて、皆さんご存知の通りライトノベルの定義ほどわかれるものはないと思っています。
「西尾維新はライトノベルだ、そうじゃない」
だの、
「村上春樹はライトノベルなわけがない」「いやどう見てもラノベだろjk」
といった謎な論争が日々繰り広げられていますが、
「そこのあなた! その論争不要ですよ!」
って感じですね。
なぜなら、あなたが思うそれがライトノベルだからです。近年の大衆向けの本の多くはやはりどこかライトノベルの雰囲気が漂っています。それは女性キャラクターに関してかもしれないし、シナリオ構成かもしれないし、その作家の語彙力かもしれない。いったいどこにその要素があるのかは本によって違いますが、やはりライトノベルの感覚があるのは否めないと思います。そこに関しては日本人は虚構が云々とか言う難しい話になってくるのでそういうのは専門家に任せるにしても、由々しき事態であると思います。
ここで、ライトノベルの「ライト」についての話をしたいのですが、もうすでに『ラノベ部』の中で面白い考察がなされているので、それと私見を交えて話したいと思います。
ライトとは、英語にするとwrite,light,rightがありますね。日本語だとどれもライトに回収されてしまう発音の彼らですが、意味が全然違うのは大丈夫ですよね。
書く本としてのライトノベル、光としてのライトノベル、正しい本としてのライトノベル、軽い本としてのライトノベル。
なかなかどうして、どれもぴったりではないでしょうか。確かに、書いてありますし、光として働きますし、正しいですし、軽いです。軽さについて補足をするとこのlightが表す軽さは、優美な軽さだそうです。軽やかでどこか上品なそんな軽さ、ちなみにこのことはどこかのラノベ批評で言っていたことです、と一応注釈しておきます。
ライトノベルは本当に素晴らしい文化です。認めましょう。だってそうでしょう。かわいらしく、自分好みの容姿のキャラが必ずどこかのライトノベルにいて、そのキャラが動き回るんですからこんな素晴らしいことはありません。
しかし、ライトノベルが持つ特殊な事情があります。それは、ライトノベルは少なからずメタフィクションだということです。軽くて正しく、光であるが故に生まれたこの特性ですが、これは非常に悩ましいところです。メタフィクションとは何か、ご存じない方が多いかと思いますが、端的に言えばループものであり、メタ発言です。物語シリーズではしょっちゅう使われるメディアミックスネタや時事ネタ、声優に言及するような小説としてあるまじき面白トーク、あれこそメタ発言のオンパレード、メタフィクションです。
メタ発言は近年のラノベでは少なからず用いられます。ライトノベルをたしなむみなさんなら、必ず一作品はメタフィクションに該当しそうな作品があるはずです。ループものやメタ発言だけでなく、複数の世界線を移動するような作品もそうですね。このメタフィクション性が何を示唆するのかといえば、作者の存在です。
ふつうは、
「この本には作者がいて、この女の子がこんなエロいポーズをとっているのはす
べて作者の意図であり、作者の邪な妄想だ」
なんて考えながら読む人はいませんよね。読後にそのような発言をするのはあると思いますが、そんなことを考えながら読んでいても興ざめですね。しかし、作者のよこしまな妄想は私たち読者を確実にひきつけています。何が言いたいのかといわれれば、そのシーンは私たちにその本を買わせようとしている意図の現れかもしれないということです。
気を付けてください! そのライトノベルは買わされているのかもしれませんよ!
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