その20

レーザーの光子も流れの方向をコントロールするものがなければただの無秩序なエネルギーの塊に過ぎない。


カンナはトコロテンをすするように元レーザーだったエネルギー群を飲み込んだ。


「不味い」


「よー、助かったわ」


「え? タイヘイ! なんでフェンスに登ってんのよ!」


「風紀委員がカンナのような間抜けだけならともかく、他の面子も来ちゃとても拙いことになるからな。風紀委員といやぁ、特殊能力者のエキスパート集団だしな」


「バイト部だってさながら梁山泊のようって噂だけど?」


「ま、特殊能力者だからって調子に乗んなってことさ」


「いつ乗ったっていうのよ!」


「いつか教えてやんよ」


「いつよ?」


「いつか」


そういうと俺は足をかけていたフェンスから建物外へと飛び降りた。


そして互いの姿が見えなくなった。




続く。

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