その18
というかそもそもずっと加賀美の言動の非常識ぶりが気になるが。とにかく今はもうカンナがいる。
「くそが! くそが! 世の中みんな嘘つきだ! 俺は負けねー! 嘘つきの現実なんかに負けねー! 絶対俺のためのキレイな世界を実現させてやる」
やれやれ。新興宗教かっつーの。
が、加賀美の叫びとともに周囲が明るく輝く。
「まさか、周囲一帯を……?」
「なにこれ?」
不思議そうにカンナが俺に聞く。
「あの加賀美ってやつ、この周辺の空気をほぼ全部レンズ化して、屋上で収束させて俺らをぶっといレーザーで焼き殺そうとしているようだ」
「ああ! あの複数のレンズで光の線を集めようって作戦か。ふーん」
「って、見えるのか、空気だぞ?」
「そりゃ私だからね」
「違いない」
俺は苦笑するしかなかった。
続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます