その17

俺は屈辱的ながらも加賀美の暴力行為を糾弾した。女生徒たちに関してはどのように通報したのかを知らないので、軽く触れるにとどめることにする。


「さて、加賀美先輩、俺の証言間違っていますか?」


俺は嫌味ったらしく念を押した。



「では書類にはそのように記入しておきます」


おやおや、今回のカンナはいつになく事務的だ。くわばらくわばら。


「では、あなたがた証人のサインをこちらに」


サインボードを俺と加賀美の間に差し出したのを、加賀美が振り払った。


「く、くそーっ、なんだってんだ! わかった、お前、精神操作系の特殊能力者だろ! 汚ねー! お前らサイコ野郎どもはみんなやり口が汚ねーんだ! だから俺が見ているのは全部嘘なんだ、クソが! すべて幻だ」


「あのなあ、加賀美先輩よぉ」俺は頭をかきながら指摘した。「精神操作系なんて数が少ない上に周囲に与える影響もあって常に厳重に管理されているんだろうが。こんなところにホイホイ来るものかよ。そんな常識も忘れたのか?」



続く。

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