その14


あまりの激痛に俺は絶息しつつ転げまわるしかなかった。その間もせき込みは止まらず、口から血が止まらない。


「お前、なに? 正義の味方のつもり?」


言い返してやればカッコいいところなんだろうが痛みがひどすぎて無理だった。鼻からもどばどば血が流れ出てくる。


「俺、男として器大きいから、手を抜いていたんだわ、これでも。けど、もうこれは正義の鉄槌が必要、だよな」


加賀美が両目を細め、俺を見下ろす。


俺は仰向けになって、必死に呼吸するのが精いっぱい。


「さあ、チクッといくよ」


太さのサイズ自在のレーザーがまさに注射の針のような鋭さで四方八方から全身に襲い来る。


手加減しながら俺が死なないよう実験しているのがヤツの目つきでわかった。


野郎、今後もこんなことを繰り返すつもりだ。やらせねえ。他所でもやらせるわけにはいかねえ。


だから……!


来い! カンナ!




続く。

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