その13

ふと気づくと、校内へと続く、開け放たれた鋼鉄製のドアがあった。あれほど頑丈なら多少は加賀美の空気レンズによるレーザーに多少は耐えられるだろう。それで助けを呼ぶことができれば、みんな助かる。


一見ひどいダメージに見えるが傷が顔に集中しているだけで、四肢のほとんどは大した損傷はない。充分に動ける。


加賀美はあの責められていた女の子へと手を伸ばそうとしていた。髪が長く、顔も良く見えない。まあ、告白されるくらいだからたぶん可愛いのだろう。


俺はスニーキングの要領で加賀美の背後へと周り、腕を捩じり上げるとそのまま関節技をかけ、地面の上へと押しつけた。


「んなっ? あだだだだだだだだっっ!!!」


「逃げろ!」


蛇に睨まれた蛙状態だった彼女らに一喝し、ドアへと合図する。その意図に気づいてくれて、みんなが一斉に走り出す。


「行け! 早く! 風紀委員に報告するんだ!」


「てめ~……」


「早っ……!!!」


俺の右肩を灼熱の槍が貫いた。次に左の胸。肺が焦げる。


口から血の塊を吐いた。




続く。

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