その13
ふと気づくと、校内へと続く、開け放たれた鋼鉄製のドアがあった。あれほど頑丈なら多少は加賀美の空気レンズによるレーザーに多少は耐えられるだろう。それで助けを呼ぶことができれば、みんな助かる。
一見ひどいダメージに見えるが傷が顔に集中しているだけで、四肢のほとんどは大した損傷はない。充分に動ける。
加賀美はあの責められていた女の子へと手を伸ばそうとしていた。髪が長く、顔も良く見えない。まあ、告白されるくらいだからたぶん可愛いのだろう。
俺はスニーキングの要領で加賀美の背後へと周り、腕を捩じり上げるとそのまま関節技をかけ、地面の上へと押しつけた。
「んなっ? あだだだだだだだだっっ!!!」
「逃げろ!」
蛇に睨まれた蛙状態だった彼女らに一喝し、ドアへと合図する。その意図に気づいてくれて、みんなが一斉に走り出す。
「行け! 早く! 風紀委員に報告するんだ!」
「てめ~……」
「早っ……!!!」
俺の右肩を灼熱の槍が貫いた。次に左の胸。肺が焦げる。
口から血の塊を吐いた。
続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます