その9

空気を操り、レンズ状にして、光を収束させることによりレーザーのような光線を生み出すことのできる加賀美刀祢の能力<空気レンズ>。


空気を操作できるため非常に応用が利きやすく、便利な能力だ。そして加賀美はその能力を三年間近くに渡って鍛えてきている。


「なにが? お前の知っているのと一緒だろうが」


確かにデータ通りだ。但し、腕輪で制御されていない場合のと、だ。


「お前! 許可もないのに腕輪を外してるな?!」


「「「は~ん? なんのことかな?」」」


五方向から声がかけられた。それぞれの方向に加賀美が立つ姿があった。空気を歪ませる原理で声の音波まで歪ませてきやがった。


こんなの腕輪の制御下でできるような芸当じゃない。




続く。

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