秋山 律子

月曜日、私は新しい情報を手に入れるため

図書館へ行ってみることにした。

仕事の合間に調べるのにも限界がある。

図書館なら過去の新聞も置いてあるかもしれない。

もしあったら一気に核心へ近づくだろう。

そう期待して向かったが 図書館には新聞は置いていなかった。


やっぱりマンションの人に聞かなくてはいけないのだろうか。

でも裏掲示板を見たことがバレても厄介だし・・・

帰り道にいろいろ考えた結果、街の人に聞いてみることにした。


まず向かったのは商店街で若くしてパン屋を営んでいる秋山 律子さんだ。

朝食の食パンを買う時いつもお世話になっている。

「6年前この近くのマンションで何か事件がありませんでしたか?」

「ああ。あの事件ね。ここら辺じゃ物騒なことってあんまりなくってね。

よーく覚えているよ。栞菜ちゃんが首吊っちゃたのよね…

自殺しちゃう少し前にここに来たのよ。ベランダに子供の霊がいる。

私を呪ってるって。」

ベランダ?子供の霊はベランダにいるのか?

じゃあ、外から聞こえていると思っていたあの声は…

「外からなんですか?」

「ええ。ええ。そう言ってたわ。最初は外に霊がいるって言ってたんだけ

ど。ある日血相変えてやってきてカーテンを開けたら子供がベランダで

こっちを睨んでたって。」

「その子供の霊って誰なんでしょう?」

その子供こそが、栞菜の死の元。

「わからないわ。事件の起きた鶴岡マンションも結構古いからね。

何年か前に綺麗にしたみたいだけど。」


秋山さんにお礼を言ってその日の調査は終了した。

それにしても、この連鎖した怨について真相を知ってしまったら

それからどうしよう。お祓いしてもらおうか?そんなことを考えながら

家に帰った。

カーテンを開けてみようかと迷ったがそこまでの勇気もなく

その日の日記を書くとすぐに寝てしまった。







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