約束の土曜日

待ちに待った約束の土曜日だ。

待ち合わせの場所へ向かうと亀田さんに会うことができた。

亀田さんはスーツを着ていたが少し童顔っぽいので

かなり親しみやすかった。

亀田 幸之助と書かれた名刺をもらうと

レストランに入りさっそく話を聞かせてもらった。

亀田さんは四年前事故物件だと知っていて入居したそうだ。

事件の内容は、亀田さんが探してくれた新聞を見て調べた。


6年前

二十代後半の一人暮らし女性が自殺。

女性の名前は須賀 栞菜(27)。

自殺の半年前から近隣住民に「部屋に子供がいる」と訴えていた。

直前には、ノイローゼのような状態で部屋にこもっており

第一発見者は管理人の田上 弘(78)

引きこもってばかりの須賀の様子を見に来た時発見した。

田上 弘は2年前に死んでいる。


「僕、見ちゃったんです。最初は普通に生活できてたんですけど

2年目の春ぐらいから鏡に女の人の顔が映ったりして、

我慢してたんです。でも、その年の秋に部屋に帰ってきたら真ん中に首

を吊ってる女性の霊?を見たんです。それでもうダメだと思って

今の所に引っ越してきました。」


つまり、亀田さんが見た霊はこの須賀 栞菜だと思って間違いない。

では、須賀 栞菜が言う「部屋に子供がいる」とはどういうことだ。

もし仮に部屋に子供がいたとしてそれは本物の子供なのかそれとも霊的なものなのだろうか。

おそらく後者だ。人間の子供がいるとしてもそこまで怯えるはずがない。

なら、子供の霊は何者なのだろう。

もしかして……子供の声がちらりと浮かんだ。

いや、違うあれは外から聞こえている。

そんなはずはない。 自分にそう言い聞かせた。


亀田さんと別れた後私はもう少し深く調べてみることを決めた。

このままでは、終わらせたくない。

でもそれと同時にこの件に関して危機感を抱いていた。

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