裏掲示板


朝起きると私はダンボールの片付けを始めた。

ここで不思議なことが起こった。

外から子供の声が聞こえるが、窓から覗いても誰もいない。

声と言っても何かに脅えるような憎むような

なんとも言えない声なのである。なんと言っているのかも聞き取れない。

なんだかイヤな感じがして、できるだけ考えないように作業に集中した。

一通り終わると簡単に朝ごはんを作って食べる。

目玉焼きトーストの目玉焼きが崩れたが気にしない気にしない。


それが食べ終わると今日も挨拶回りに行く。

まずは昨日不在だった404号室だ。

インターホンを鳴らすと中年女性が出てきた。

「先日引っ越してきました佐伯 晴美です。

どうぞ宜しくお願い致します。」

「あら、そうなんですかー。小島です。よろしくお願いしますね。

私、多分このマンションに一番長く住んでるんで、

分からないことがあったらなんでも聞いてください。」

こちらの方も優しそうでよかった。

お土産を渡し下の階の住人にも挨拶を終えたころには

お昼過ぎになっていた。


街を散策しながらお昼をどこで食べるか決めよう。

部屋に戻り財布をとって下へ降りた。

街にはオシャレなカフェがたくさんあったので、

そこで、スマホをいじりながらパスタを食べた。

何気なく 鶴岡マンション と調べると物件情報がたくさん出てきた。


・鶴岡マンションレビュー

・鶴岡マンションから〇〇駅

・マンション情報

・不動産〇〇

私の指が止まった。


・鶴岡マンション裏掲示板

恐る恐るクリックするとパッと画面が変わった。

何か悪いことが書かれていないだろうか。

しかし、心配するほどのことは何もなかった。

407号室に新しい人きたね。とか、挨拶に来た。

とか、そんなことだった。ホッとすると今度は好奇心が湧いてきた。

下へ下へ降りて行くと407号室という文字が目に止まった。


こじー:407号室といえばあれだよね。

モリン子:ああ。あの事件ね。

ふる:事故物件ってなってなかったのかな。

こじー:事故物件は、一度でも誰かが入居すれば知らせてくれない

不動産もあるのよ。

ふる:前に住んでた人もすぐ出ちゃったしね。

りん:佐伯さん見たら怖がっちゃうから書かないほうがいいよ。

モリン子:大丈夫よ鈴木さん気づかないわよこんなところ

こじー:こら。実名ダメよ。

モリン子:すいませーん。


そこでこの話は途切れていた。

自分の部屋で何かあったのだろうか。

怖かったが他に行く場所もないのでとりあえず家に帰ったが

どうしてもあのことを考えてしまうので早く寝たのだった。






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