催眠術への誘い
この文章を読んでおられる方は正直なところ催眠術に対して半信半疑、いやむしろTVのやらせじゃないのだろうか、とお疑いではなかろうか。
筆者もエリクソン催眠を学ぶまでは信じていなかった。しかし目の前で催眠術をかけられてしまった以上、信じるしかない。
ここではなぜブアメードの血を再現できたのかの説明をする前にまず、催眠術を実際に体験していただきたい。その上で催眠術は身近にあるものであり、悪用すればとても危険な技術なのだと理解して欲しい。
もしあなたが催眠術に対して本気で臨むのであれば、好意を持っている人間に対して自分を好きになるよう仕向けることだって出来てしまうのだから。
これから読者の方に体験していただくものはどこにでもあるありふれたようなものであり、決して危険はない。この文章を読んだからといって洗脳されたりということは絶対にないので安心して読んでほしい。
いやそれでもこわい、筆者のことが信用できないという方は下の方までスクロールしていただくことをお勧めする。
では少しスペースを空けてから実際に体験していただこう。
実際に想像してみてください。
貴方は今、利き手にレモンを持っています。
もちろんイメージです。
レモンのイメージを鮮明に頭の中で思い浮かべてください。
あの独特の手触り、そして鼻に近づけるともちろん匂いもします。
貴方の手にあるレモン、側面には切り込みが入っています。そこに親指を突き刺して半分に割ってみてください。
果汁が溢れ出し、さわやかな、独特の酸っぱい香りがしてくるはずです。そのレモンを口まで運び一口齧ってみてください。
歯に当たり、レモンの酸っぱい香りと酸味が貴方の口の中に広がります。
どうだっただろうか。
読んでいると唾液がどんどん口の中で溢れてこなかっただろうか。
そんなの当たり前と思うかもしれないが、これがいわゆる催眠術である。
相手に言葉で暗示を与えることでそれが本当に存在するんだと思わせる技術なのだ。
催眠術とは身近にあるものだという理由を少しは理解していただけたのではないだろうか。催眠術が実際に存在するということを理解していただいた上で催眠術とはどういった構造になっているのかの説明を行いたい。
催眠術をかけるには三つの段階からなっており、更にかけた後は三つの階層が存在する。
まずここでは三つの段階について説明しよう。
一段階目・・・ラポール(信頼関係)の形成
催眠術をかける上でお互いの信頼がなければかけることはできない。いきなり美人なお姉さんやイケメンなお兄さんに催眠術をかけようとしても催眠術に興味を持つよりも先に警戒されてしまう。そうなってしまってはまずかからない。
二段階目・・・フィンガースティック
簡単に説明すると両手の人差し指が離れたのに近付いていくというものである。これに関してはご存知の方もいらっしゃるかもしれないがただ単に人体の構造を利用した遊びにすぎない。
ここで行っているのは催眠術への興味を引き出すと同時に催眠術にかかっているのかもしれないという暗示を刷り込むことである。
なので必ずしもフィンガースティックである必要はない。マジシャンなど心の中で思い浮かべたトランプを当てるといったマジックをやることでフィンガースティックの代わりとすることもある。またフィンガースティックの前にマジックを行うことでより強く興味を引き出すこともある。
三段階目・・・拳(全身)のカタプレシー(催眠術における肉体の硬直)
「今から三つ数えて手を叩くと貴方の拳は石のように固まってしまい開かなくなります!
3,2,1,はいっ!!」
という風に実際に催眠術をかけるものである。カタプレシーを起こせればその相手は催眠術にかかったと言えるし、ここだカタプレシーが起きなかった場合その相手が催眠術にかかる可能性は低いだろう。
このような段階で催眠術は成り立っている。一段階目から順番に行っていくことで相手を催眠状態にするのである。
さらに催眠術にはかけた後、三つの階層が存在する。なお、下に行くほどかかりにくくなっていく。
一層目・・・肉体支配
手が固まったり体が椅子から動かなくなったりと、文字通り相手の肉体を操る。一層目に関しては催眠術を少し学べば、相手にかけることができるだろう。
二層目・・・感情支配
自分を好きな相手と認識するようになったり、笑いが止まらなくなったり、涙が出たりする。催眠術をある程度学んだ者が被暗示性の高い相手にならばかけることができる。
三層目・・・記憶支配
自分の名前を忘れてしまったり、幻覚が見えたりする。この階層までくると催眠術をかける者の腕とともに被験者の被暗示性や相性が余程良くない限りかけることはできない。
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