第13章『吸血鬼ヴラッド 3』

 U3Fによる“火星圏侵攻作戦”は電撃的に事が運ばれていき、遂に最終局面──すなわち、インデペンデンス・ステイトの最重要拠点であるマリネリス基地の攻略作戦へと駒が進められようとしていた。

 これに対しインデペンデンス・ステイトはDSW編隊を中心とした防衛網を展開。自分たちにとっての本領とすら言っても過言ではないゲリラ戦法を駆使することによって、徹底抗戦の構えに打って出る。

 かくして、マリネリス基地内はいつ火蓋が落とされるかもわからない本土決戦への緊張感に張り詰めているような状態だった。廊下を行き交う兵士たちはブリーフィングで話し合った内容を今一度確認し合い、補給物資を乗せたカートが縦横無尽に駆け回っている。


 そんな人の波を掻い潜るように歩いていたアレックスは、まるで幽霊のように目的もなくただ基地内を彷徨っていた。戦いに備えて躍起になっている人々の姿も、彼の眼には全くと言っていいほどに映っていない。ここまで来る途中にも何度か誰かの肩がぶつかったりもしたが、彼は気に留めることもなく……というよりも、接触したことそれ自体にすら気づいていないような状態だった。


(僕は、オミクロンによって生かされている……)


 オミクロンに言われた言葉が、まるで数本の鋭利な剣となって背中に突き刺さっているようだった。

 彼の言った通り、インデペンデンス・ステイトがわざわざアレックスを生かしておく必要性は存在しない。ピージオンに搭乗者として生体認証されている限りは無下に扱われることもないだろうと思っていたが、どうやらそれはアレックスの誤算だったらしい。きっと機体の開発に携わっていたオミクロンが何らかの手順を踏めば、登録を解除することも不可能ではないのだろう。つまりアレックスは今、完全にオミクロンのによって生かされていた。


(……だからって、また僕に戦場へ出ろっていうのか。妹も、父さんも奪っていった戦場に……)


 “何かを一つ守ろうとするたびに、一つ何かを失ってゆく”。

 沈みゆくコスモフリートのブリッジで、バハムートが最期に言っていた言葉を思い出す。人間には万人を救う手段など存在せず、時にはどちらかを切り捨てる選択をしなければ何も守れないのだと、彼は自分の歩んできた生涯を悔やむように説いていた。

 実際に、その通りだった。

 全てを守ろうとした少年の翼は、立ち塞がる現実になす術もなく朽ち果ててしまった。もう二度と翔び立つ気すらも起こらないほどに、彼は現実の残酷さを、その身とをもって思い知らされた。

 こんな何も成し得なかった理想など、出来ることならさっさと捨ててしまいたかった。


(でも、僕はその“選択”すらも持ち合わせていない。だって、選べるわけがないだろ。あんなことを言われてしまえば……)


 “好きでした、先輩”。

 ミランダの告白を思い出すたびに、心臓が締め付けられたように痛んだ。

 自分を見つめる彼女の万華鏡みたいに美しい瞳には、確かに光が映し出されていたことを、アレックスは鮮明に記憶している。そしてその光をみせた張本人は、他でもない自分自身なのだ。

 何も救えなかった自分の理想が、他者の瞳には希望として映ってしまっている。翼の折れた少年にとっては、なんとこの上ない皮肉であろうか。


 きっと歴史に名を馳せたような英雄も、裏ではこのような葛藤を幾度となく──ともすれば生涯に渡って抱えていたのかもしれない。たった一人の勇気ある行動に感化された者達が、英雄とは名ばかりの殺人鬼であり続けることを押し付けて来るのだ。そこに個人としての尊重などありやしない。

 誰かに希望を焚き付けるというのはつまり、ただ人々の期待に応えるだけの機能システムに成り下がる事なのだ。そして今の自分も、そうなることを望まれている。


(もし世界がバハムートさんのいう通りに出来ているのなら、僕は……どちらかを切り捨てなければならない。……いや、もっと早くにそうするべきだったんだ)


 一人の人間が世界の全てを両手で抱え込むことなどできるはずがない。万人を救おうなどという願いも、聞こえはいいが結局は慢心でしかなく、他者にとってもタチの悪い欺瞞にしか成り得ないのだ。そんなことはとっくにわかっている。

 ……いや、わかっていながらも、目を逸らし続けてきた。

 そうした果てに辿り着いたのが、たったいまこの眼に映る現実だ。

 まるで世界そのものに見放されたような絶望感に襲われ、足取りはひどく重くなっている。とにかくこの息苦しさからどうにか逃げたい一心で歩き続けていたその時、アレックスは肩に誰かの手が触れるのを感じた。


「何処へ行く。格納庫は反対だぞ」


 肩越しに振り向くと、そこにいたのは屈強な肉体をパイロットスーツに包んだチャーリー=ベフロワだった。どこか張り詰めた面立ちや姿格好から察するに、どうやら出撃に向かう最中らしい。

 彼のどこまでも迷いのない眼差しを向けられ、アレックスはつい反射的に目を逸らしてしまう。道を見失っている今の自分があまりにも情けなくて、後ろめたさを感じてしまったのだ。


「……? どうした、はやく出撃の準備をしろ。敵は迫って来ている」

「“敵”、か……。なんで皆、そう簡単に割り切れるんだろうな。相手にも正義があるから戦いは起こっているのに……」


 気付けば、そのような弱音がアレックスの口から出てしまっていた。それを聞いたチャーリーはわずかに眉尻をつり上げると、過ちを咎めるように厳しい口調で告げる。


「俺には守るべきものがある。それを守る為に戦うだけだ」

「わかっているさ! だけど、相手にだって家族や仲間はいるんだ……。それを互いに壊し合うなんて、僕には……耐えられない」

「撃たなければこちらが死ぬ」

「だから敵と決めつけて殺すのか……!? そんなのは思考の放棄だ、それじゃ何も解決しない……!」

「……。アレックス=マイヤーズ」


 意表を突くようなチャーリーの言葉に、アレックスは何も言い返せずに押し黙ってしまう。チャーリーはそれを哀れむように一瞥しつつも、しかし同情を示すことなく続ける。


「俺達のような兵士が、何の考えもなしに武器を取っているとでも思っていたのか。だとしたら見当違いも良いところだ。守るべきものの優先順位がちゃんと見えているからこそ、こうして敵を敵と見なして戦っている」

「仲間を守りたいのなら、それ以外を切り捨てろと……そう言いたいのか」

「そうするべきだろう。敵への情けなどと、戦場において足枷にしかならないような余計なものはさっさと捨てるべきだ。……でなければ、もっと大事な者達を失う事になる」


 そう語るチャーリーの枯れ果てた瞳は、心なしか虚ろにみえた。幾多の戦場を渡り歩いてきた彼が、一体どれだけの死にゆく仲間達を見てきたのかは、想像に難くない。

 老成しきった狼のような彼が、それでもアレックスにこのような言葉を投げかけたのは、言わば彼に残る最後の良心からだった。それだけチャーリーはアレックスのことを仲間として認めていたし、だからこそ“死んでいった者達”と同じ過ちは繰り返して欲しくなかったのだろう。


「お前自身が選び決めることだ。片方を繋ぎ止めたいのなら、もう片方を断ち切る選択をしろ」

「僕が……選ぶ……」


 チャーリーの気遣いは痛いほど伝わっていた。

 彼だけではない。『ミスト・ガーデン』やコスモフリートの仲間達も、まるで自分のことのように心配してくれているのは知っていた。


 ……だが、それでも。


 アレックスの中で、もう答えは決まっていた。




「……僕には、選べない。選べるわけないじゃないか。もう僕に、選択できる道なんて残されちゃいない……」


 あるいは、選ばない事こそがアレックスにとって唯一残された選択肢だった。

 人々にとって希望にも絶望にもなるような理想など、無へと帰してしまえばよい。たとえその選択によって訪れる未来が破滅だったとしても、それが贖罪になるのなら寧ろ本望だった。


「お前はそれでいいのか。それでは何も守れやしない」

「ああ……構わない。こんな僕に、守れるものなんて……ない」


 全ての責任を放棄した、空虚な笑みを浮かべてアレックスは答えた。

 それを聞き届けたチャーリーは、無念だと言わんばかりに瞼を閉じる。


 次に彼の瞼が開かれた時には、すでにアレックスを見る目は憐れみから侮蔑へと変わっていた。チャーリーは腰のホルスターから愛用の拳銃を引き抜くと、アレックスへとグリップを向けるように持ち替えて差し出す。


「ならば、お前はここで終われ。選ぶたたかうことを放棄したお前に、もはや生き残る価値なんてない」

「……」


 促されるがままアレックスは差し出された拳銃を受け取るも、銃口を床に向けたまま視線を下ろす。チャーリーの放つ言葉の節々は、それほどまでに鋭い矛先となって心臓を抉った。


「……俺は、死を覚悟して戦場に向かうような奴らが嫌いだ。生きる意志を捨てた連中に、俺は負けない。負けるわけにはいかない」


 『だが』と、チャーリーは放心しているアレックスへと語りを続ける。


「お前のように意味もなくのうのうと生きている奴はもっと嫌いだ。何もかもが有限なこの世界で、生きる糧をお前と分け合っているのだと思うと、反吐がでる。そんな命なら早急に捨ててしまえ」

「……僕が目障りなら、君が僕を撃てばいいじゃないか」

「思い上がるな。お前の命の責任など、取りたくもない」


 チャーリーは身を翻すと、こちらに背を向けてその場を立ち去ってしまう。遠ざかってゆく彼の背中を最後まで見届けることもなく、疲弊しきったアレックスはついその場に膝をついてしまった。


(……僕の命の責任は、僕自身で取れだと)


 チャーリーに手渡された拳銃を呆然と見据える。少しばかり考えた後、アレックスは苛立ちのあまり歯噛みした。


(馬鹿らしい。こっちの気も知らないで……はもう、何もかも沢山なんだよ……)


 乱暴に拳銃を投げ捨てると、アレックスはゆっくりと立ち上がる。

 覚束おぼつかない足取りのまま、彼はまたしても道を定めないまま歩き始めた。




 マリネリス基地の医務室は、パヴォニス基地から辛くも撤収することに成功した負傷兵たちで溢れかえっていた。

 既にベッドには空きがなく、重症患者以外は床に寝かせられてしまっている。医務室前の廊下の壁際にも多くの包帯を巻いた怪我人たちがもたれ掛かっており、みな苦汁を飲まされたような暗い表情を浮かべていた。


「……はい、もう大丈夫です。消毒と止血を行いましたので、あとは傷口に触れないよう安静にしていて下さい」

「ああ……ありがとう、助かったよ」


 廊下で負傷兵に応急処置を施す手伝いをしていたエリー=キュル=ペッパーは救急ポーチに用具を仕舞うと、またすぐに次の患者の元へと駆けていった。

 どうやらこの基地には──火星自体が貧困に悩まされている事もあってか──医療スタッフの人員数が十分に足りていないらしい。そのため、元々コスモフリートの船医であったパウリーネは勿論、エリーにも傷の手当てをするくらいの心得はあった事から、こうして駆り出されているというわけである。


「エリー、それが終わったら医務室の棚にある点滴を補充してきてくれないかしら?」

「は、はい! すぐに行きます!」


 白衣姿の看護師であるサクヤに声をかけられ、エリーは慌てて言葉を返す。冷静沈着で大人びた彼女があの天真爛漫なサクラの実姉であるとは俄かに信じがたい話ではあったが、実際に今の彼女らは互いのことを意識してどこかピリピリと張り詰めているようにみえた。

 聞いたところによると、どうやらサクラは姉の了承を得ないままインデペンデンス・ステイトに参加していたらしく、サクヤもそれに対して腹を立ててしまっているらしい。それでも完全な絶縁とまではいかないのは、きっと肉親としての“絆”という名の繋がりがあるからだろう。肉親を持たない、施設育ちのエリーにとってそれはいまいち要領の得ないものであり、それと同時に少しだけ羨ましくもあった。


(肉親の絆、か……。大切に思うのも当たり前よね、だって血を分けた家族なんだもの。一緒に住んでいただけの私とは違う、本当の家族……)


 手先は患者の応急処置に専念しつつも、エリーの脳裏に少年の小さな背中が浮かび上がる。唯一の肉親である妹を失った彼の感傷は、きっと所詮義理の家族でしかない自分やテオドアの比ではないだろう。

 もちろん、エリーとてミリアの件にはかつてない程の深い悲しみを抱き、一体何度まくらを涙で濡らしたかわからないほどだ。

 彼女だけではない。デフも、ミランダも、コスモフリートのクルー達も、ミリアと交流のあった誰もが、幼い少女にはとても背負いきれないような運命を思って心を痛めている。それだけミリアは誰からも愛されていたし、エリーが彼女を大切に思う気持ちも決して偽りではない。


 だがそれでも、実の兄妹アレックスに比べればこんな絶望など容易いものだろうという根拠のない謙遜が、エリーの根底にこびり付いて離れなかった。

 どう考えたって一番悲しいのは肉親であるアレックスなのだから、所詮でしかない自分にとやかく言う資格など有りはしない。救いの言葉一つすらもかけてあげられない自分が、只々ただただ情けなかった。


(父さん、私はどうしたらいいの……? 私なんかが彼に何をしてあげられるのか、どうするべきなのか、わからないよ……)


 自分たちにとっての義理の父──ウォーレン=モーティマーは『それでも、歩みを止めるな』と言っていた。後悔を続けていたところでアレックスやミリアの為にはならず、だからこそ前に歩き続けることが最善なのだと。

 だが、これはマイヤーズ兄妹の問題であり、本当の家族ではない自分が入り込んでいい筈はない。結局のところ、自分には彼を心配することはできても、それ以上のことはしてあげられないのだろう。


(私は、なんてこんなにも非力なんだろう……)


 行き場のない憂いに心を沈めたまま、患者の応急処置を終えたエリーは立ち上がると、先ほど指示された通りに医務室へと向かう。

 そしてドアロックを開こうとしたそのとき、部屋の中から何やら穏やかではなさそうな声が聞こえてきた。


「あなたはまだ兵士として戦うつもりなの……!? それはお母様の遺志を冒涜するものだと言ったはずでしょう……!」

「お姉ちゃんにはわからないよ! 頭もそんなに良くないわたしじゃ、こうする事くらいしか出来ないんだもん……!」

(サクラ……?)


 怒鳴るような口調から察するに、どうやら室内でサクヤとサクラが言い争っているらしい。血の繋がりによって引き起こされた対立を前に、エリーはつい扉を開くのを躊躇ってしまう。肉親同士の問題に干渉するべきではないと、反射的に思ってしまったからだ。


「だからって……何も危険な戦場に向かう必要はないわ! 何ならあなたは無理して働かなくたっていい。サクラが暮らす為のお金だって私が稼ぐから……だから、もう私に心配かけさせないでよ……」


 最初こそ荒々しかったサクヤの声音も、段々と弱々しく覇気のないものへと変わっていく。それだけ彼女が実妹の身を案じているのだということは、痛いほどわかった。

 それは面と向かって直接言われたサクラとて同様だろう。彼女は姉の真摯な想いを受け止め、その上で強く言葉を返す。


「心配なのは、わたしだって同じだよ……! お姉ちゃんのことも大切だと思ってるし、チャーリーも、ナナキ隊長も、わたしにとってはみんな大事だよ……?」


 『だから』と、サクラは姉に向かって必死に訴える。


「大切だから、守りたいと思うから、わたしはインデペンデンス・ステイトとして戦うの……! それはいけないことなの……!?」

「でも、だからって……何もあなたが戦う必要はないじゃない……」

「……お姉ちゃん。わたしね、好きな人がいるんだ」


 今にも泣き出してしまいそうな姉をなだめるように、サクラは語り聞かせる。


「その人はいつも危なっかしくて、気を抜くと何処か遠いところに行ってしまいそうような気がするの。あいつはいつも『絶対に生きて帰る』なんて自信ありげに言ってるけど、兵士にそんな保証はどこにもあるはずがない……」


 サクラの声は、ひどく寂しそうだった。彼女も自分なりに最悪の事態をちゃんと想定しており、それを踏まえた上で自身の選んだ道を指し示す。


「わたしが側にいてあげなくちゃ。足手まといだと思われたっていい……それでも、わたしはあいつに……チャーリーに生きて欲しい……! 一緒に生きて帰りたいの……!」


 それは、少女としてどこまでも一途な想いだった。

 彼女の淡い感情を否定することなど、同じ女であるエリーにも……そして、姉であるサクヤにも出来るはずがないだろう。

 思いの丈をぶつけられたサクヤは負けを認めたように息を吐くと、すっかり憑き物が落ちたように温かな微笑を溢す。


「フフ……そっくりね、お母様と。あの人も血の繋がらない私達姉妹のために、命懸けで戦ってくれていた。でも、帰りを待っているだけじゃ、こっちだって心配でしようがなくなってしまうものね」

「お姉ちゃん……」

「わかったわ、あなたが戦いに行くことを許します。でも、これだけは約束して。絶対に帰ってくること……いや、こと」

「……! うん、わたし頑張るよ……!」


 するとドアが勢いよく開け放たれ、室内から活気にあふれた様子のサクラが飛び出して来る。部屋の前で立ち尽くしていたエリーは咄嗟に避けようとするも間に合わず、二人はそのまま盛大にぶつかって転んでしまった。


「ったた……。ごめんエリー、大丈夫?」

「え、ええ……私こそボーッとしててごめんなさい……。さっき部屋の中で、チャーリーさんがどうって……」

「あはは、やっぱり聞かれちゃってたか」


 尻餅をつくサクラは照れくさそうに笑うと、起き上がってエリーへと手を差し伸べる。


「……エリーもさ、難しく考えなくていいと思うんだ。どんな事情があったって、エリーがあいつのことを心配する気持ちは本物だもん」

「ほん……もの……?」

「うんっ。だってエリーにとってあいつは、“大切な人”でしょ」


 そのサクラの一言で、エリーはようやく気付かされる。


 無意識のうちに、自分は彼への感情を偽りのものであると勝手に決め付けていた。

 血の繋がりがない家族など、他人でしかないのだと。

 他人である自分が、彼にかけてやれる言葉などないのだと。


(……違う。)


 彼のことを“家族”だと言っておきながら、自分が自分のことを“家族”だと認めていなかった。

 そんな簡単なことにすら自分は気付けていなかったのだと思うと、可笑しさのあまりつい肩の力が抜けてしまう。

 けれど、これで迷いの霧は完全に拭い去ることができた。エリーはもう決して、自分の胸の内に秘めた感情を見失いはしない。


(助けなくちゃ。だって私はアレックスの、家族なんだから……!)


 エリーはサクラの手を借りて立ち上がる。

 彼女の瞳に、もう迷いのいろはなかった。

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