interval -今にも-
いまにも
壊れてしまいそうな 哀しい器が在って
そこに注がれる 濁り無い水の冷たさには 何の咎も無い
けれどどうか赦して
もうこれ以上は居られない この世界の中には
生きられない
はじけ飛んだ 蝶番のカシャンという音
何で繋がれていたかも分からないのに
何を恨めと言うの ただきれいな心のままでも 離れていく
何も遺せず 何も本当の意味では 感じていない
それだけのことで生きていられるなんて 思いもした
けれど 嘘の笑顔は気に障る
がんじがらめの理さえも
私を留め置いてはくれないの
この世界はつかめない
だから私は居られない
居られないのに 居たつもりで
今日飛び立とうとして躓く 打ち付けた胸には味が無い
どこにも行けないのにどこにも居られない
私が息をしているの いったい何処なの 言葉が出ない
掠れた吐息の狭間に 強張った肩
震える背骨に 軟弱な足首
いつでも死ねるはずなのに 生きているのは
ただこうして
臆病な自分を持て余しているからだと思った
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