物語としての構成がしっかりとしていて、キャラ一人一人に個性があり、作品の世界に飲み込まれました。
嘗ての神童が力を失い、それでもまた立ち上がっていくという話で、最弱のペアにも関わらず策を講じて格上の相手に挑んでいきます。
バトル系の作品は単調な展開で飽きがちなのですが、この作品は違います。
どの試合も手に汗握るギリギリの勝負、敗北も有り、とてもハラハラします。
ヒロイン達も皆魅力的です。(個人的にはノキアが一番)
「最弱」というワード検索で偶然出会うことができましたが、これ程の良作が他の作品に埋もれてしまっている事が残念で仕方ないです。
素晴らしい作品をありがとうございました。
この作品は、魔法という事象が存在する現代の世界が舞台となった現代ファンタジーモノです。
ある出来事を境に表舞台から姿を消したかつての神童が、魔法を使った競技「ウィザードリィ・ゲーム」に身を投じます。
全盛期から7割もの力を失った彼の、対策を練り策謀を巡らせる、クレバーかつスリリングなアツいバトルは中々に心を踊らされました。
また、戦闘以外にも、かつて神童と呼ばれた子供たちの精神面の成長を描いたストーリーに心を掴まれます。
ありがちな誤変換(自身、自信など)や言葉の誤用などが少し気になりましたが、それを無視すればとても満足度の高い小説でした。続編にも期待しています。
かつては神童と賞賛を浴びながら事故で魔法力を失った少年シオンが、ファントムの少女ミラとの出会いをきっかけに新しい夢を目指す姿に胸を打たれる。
『ウィザードリィ・ゲーム』は、魔法技術を駆使する魔法士と、精霊とも称されるファントムがペアを組んで競い合う総合魔法競技だ。
ペア同士で戦うバトルもあれば、射撃競技、レース競技、謎解き競争など多種多様な種目に分かれ、ファントムと魔法士の複数のペアが入り乱れるサバイバルマッチは絶えず戦況が二転三転して手に汗握る。
身体にハンデを負っているシオンと、未熟で能力の低いミラの落ちこぼれペアが、お互いにぶつかりあいながらも絆を深め、実力不足を知恵と技術で補って、並み居る強豪を相手に実力差を覆していく試合は、毎回、緊張と興奮で息をのむ激闘の連続だ。
たとえ一度の失敗で夢破れても、夢があれば何度でも立ち上がれる。自分の限界だって越えていける。二人には夢という最強の魔法がかかっている。
(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=愛咲優詩)