光る閨房
しばらく続け、変化がないのを確かめると呆れたように■■■は言った。
「きみさ、こういうことする前に飲むのやめたほうが良いよ」
「あー、全面的に同意しよう。少し待ってくれ、こういうときの解決法もないわけじゃない」
「んん、うん?」
◆◆は■■■を体の上からどかすと、押入れを探った。
「どっちが良い」
並べられたものは樹脂製の玩具。手で持つタイプと腰につけるタイプだ。■■■は眉根を寄せた。
「なにこれ」
「……見ての通りだ」
「えっ、待って、何に使うの。自前のがあるだろ」
「あるよ。自分のが使い物にならない時に使うんだ……言わせるなよ、まるでぼくが機能不全みたいじゃないか」
「いや、そんなこと言ってないけど……きみ、なんていうか発想がフレキシブルだね……それ外部委託するんだ……」
「与えられた役割に忠実だと言ってくれ」
「きみ、見た目によらず真面目なんだね。見直した……ああ、いや、どうなんだろう」
「撤回したくなる気持ちもわからないでもないけど、そこまで言ったなら最後まで言ったらどうなんだ。おまえ、変なところで律儀だな」
「いやその、申し訳ない」
■■■は頭をかいた。
「そいうえばこれ、どうなってるんだ」
■■■は手に取って振った。裏にボタンを見つけると、■■■は躊躇わずそれを押した。玩具はけたたましい振動音を出しながらぶるぶる震えた。もう一度押すと止まる。カチカチとなんどか押し、■■■はぼんやりと言った。
「これ、光らないんだね」
「いや、だってこれサイリウムとかじゃないし……」
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