目覚めの一発、酔い覚めの甘露

「あたまいたい……気がする」

「水とコーヒーを飲むと良い。ビタミン剤もあるが、どうだ」

「水だけもらう。錠剤はもうこりごりだ」

食卓で■■■は頭を押さえたままコップの水を飲んだ。◆◆は肩をすくめ、伸びをした。

「……体は平気?」

「大丈夫だ。鍛えているからな」

◆◆はおどけて右の拳を握りしめた。

「あの……」

「ん」

「今から……できる?」

もじもじと■■■は消え入るような声でいった。

「別に良いけど……珍しいね。きみから求めてくるなんて。……これ、前も言ったな」

◆◆は■■■と連れ立ってベッドに向かった。



「交代でしてもらっていいかな、その、手とか……その、ま、まだ朝だし」

カーテンを閉めながら、■■■は言い訳がましくそう呟いた。◆◆も朝と手の関連性を問うようなことはしない。理由になればなんだって良いのだろう。

「ああ、構わない」

◆◆はベッドに座った■■■のそれを握り、擦った。吐息を漏らし、■■■はあっという間に果てた。昨晩は不完全燃焼だったのかもしれないな、と◆◆はぼんやり考えた。

「ん、替わるよ」

ぼんやりした目で■■■は言い、◆◆のそれに手をかけた。背を丸め、危なっかしい手つきで■■■はそれをにぎにぎと触り続ける。

「……ちょっといいかな」

「ん、なに……」

■■■はじっと手の中のものを見ている。顔が近い。ふと、このまま出したらどうなるだろう、と◆◆は考えた。下半身がずくりと疼く。でも、今したいのはそれじゃない。

「入れていい?」

「えっ」

びくりと肩を震わせた■■■は手を止め、真っ赤になって狼狽えた。

「……だめかな。だめならいいけど」

「だめ、じゃない、けど……ど、どうしよう」

「乗り気じゃないかい」

「え、ええと、そうじゃないけど、いや、その、ど、どうぞ……」

真っ赤になったまま■■■はやおら立ち上がり、履いていたズボンを降ろした。◆◆はぽかんとした。

「え、良いの?」

「……嫌なことを嫌だっていうくらいの分別はあるよ。きみ相手に遠慮なんかしないさ、そう何度も言わせないでくれ」

「えっと、どうも……」

もにょもにょと◆◆は言い、■■■を抱いた。

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