情交

「それで、きみはどっちがやりたい」

「え、と。ど、どうしよう……」

赤面したまま、■■■は口篭もった。

「先に言っておくが、ぼくは今ぐったぐただ。ちょっとどころではなく飲み過ぎた」

「えっ、じゃ、じゃあ、やめとこうか……?」

「体に問題はない……いや、きみが抱かれたいというなら話は変わってくるが……抱かれたいのか? そうだというなら殊更に拒みはしないが」

■■■は真っ赤になった。

「え、ええと、いや、別に、そういうわけじゃ……あの、でも、嫌なわけじゃなくて……その」

「……?」

「こ、こんなこと言ったら怒るかもしれないけど、その、ええと、こないだのは気持ちよかったけど、そうじゃなくて、ええと」

耳まで真っ赤にして、■■■は早口に弁明を始めた。◆◆は訝しみながらもそれを聞いていた。抱かれたいと言われたらどうするか、一応算段を立てておく。

「気持ち良かったけど、なんていうんだろう、あの、あんまり気持ち良くなかったって言うか、ああええと、ちがう、ええと……あんまり、その、興奮、しなかったっていうか」

「……ぼくが下のがいいってこと?」

◆◆は■■■を押し倒し、伸し掛かった。これじゃどっちがどっちに乗っているのかわからないなあ、と◆◆は思った。下肢が擦れ、■■■は押し殺した悲鳴を上げる。

「ひっ……そ、そう、なるの、かな……」

「それだけ聞けたら十分だ」

◆◆は舌なめずりをした。



「しかし硬いね……ぼくのほうは、ぐったぐただって、いう、のに」

「し、しくみがちがっ、から、あっ」

◆◆は■■■をベッドに縫いとめるようにして揺さぶった。■■■は嬌声を上げた。

「出るの?」

「出る、よ。たぶん、だけど」

「試した?」

「た、ためっ、試し、試してない!」

狼狽え、かっと火がついたように否定する。■■■はまた真っ赤になった。くしゃくしゃになったシャツが、未練がましく腕にまとわりついていた。

「そうか、これが最初か」

◆◆は意地悪く笑った。それからほどなくして、■■■は果てた。

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