交接

「大丈夫?」

「局部が痛い……」

「腫れてるからだ。すごいな、化膿してるみたいだ」

ぬらぬらと光る鈴口から透明の液が垂れた。

「茶化さないでくれるかな……痛いのは本当なんだ……」

「膿出しとく? 多少痛いだろうけど腫れは引くんじゃないか」

じっと見つめられて、■■■は赤面した。

「膿って……」

「似たようなものだろ、揉んで押しつぶせば出てくる」

つう、と、◆◆がなぞれば、立ち上がったそれがむくりと一回り大きくなった。

「欲情が可視化されるっていうのも難儀だね。よくしてあげよう、全部出せば多少は小さくなるってもんだろう」

◆◆は半透明の手袋に手をねじ込んだ。



「うぅ」

「結構出るね、でもサイズあんまり変わらないよ。すこし……もとに戻ったか」

「い、痛い。やめて、もう出ないから」

泣きそうな表情で■■■は言った。

「ガチガチに勃起させていうセリフではないと思うんだ。でもそうだ、確かに痛いのは困る。痛いのは、嫌だ。怖気がする」

◆◆は立ち上がった。

「な、なにするの」

「前立腺を刺激する。痛くはしない」

後ろに回り込み、■■■を横向きに寝転ばせた。手袋をはめた手へ潤滑剤を伸ばす。

「キシロカインなんか使わないよ。安心して僕に身を委ねてくれ」

「え、ちょ、あっ、あっ、た、たすけてー」

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