女王様

私にとって女王様は、母であり主人であり神である。

生まれたその日から今日までずっと女王様のために働いていた。

それは、強制的にではなく志願したわけでもない運命なのだ。

私は女王様のおそばでお仕えさせていただくことを誇りに思っていた。

そして、いざとなればこの命さえも捧げるつもりであった。


つい昨日まではたくさんの兄弟をご出産されていた女王様が、

私が城を出ている間に殺されてしまったのだ。

女王様がお亡くなりになられてしまえば、私の命も意味のないもの。

でも、最後の時は女王様のおそばで迎えたい。

木の下に足が二本ない状態で放置された女王様を仲間と運ぶ。

城は仲間たちの死骸で埋め尽くされている。


奥の奥の女王様のお部屋に遺体をそっと降ろした。

そして自分たちもそこで待った。女王様の元へ昇る時を。


私は心の中でふと思った。

次に生まれ次に生まれ変わるならまたミツバチになりたいなって。



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