神秘の国ニッポンの不思議

サッカーの大会のため来日していたフィリップは

神秘の国ニッポンに興味津々であった。

お互いを気遣う心や美しい仕草など

ニッポンの全てがジェームズを魅了した。

そんな中でもジェームズが驚いたのは お辞儀 だ。

あれはなんだと通訳に聞くと

お互いに自分の頭を下げることで敬意を表すものだという。

ニッポンはなんて素晴らしい国だ。

サッカーのイタリア代表として

世界のいろいろなものを見てきたつもりだったが

ジェームズはイノナカノカワズという言葉を思い出した。


そして観光を終えいよいよサッカー大会の日が来た。

サポーターの熱気で会場はムンムンとしている。

ゲームは1点を争うとても面白いものとなった。

0対0で迎えたロスタイムジェームズのチームは

とてもいい位置でフリークックを得た。

蹴るのはジェームズ。

会場が静まり返る。


しかし日本人の作った壁は高くシュートを決めるのは難しい。

高度な技術が必要だ。

そのときだ、ジェームズの頭に お辞儀 がよぎった。

ジェームズは日本人の壁に向かって深々とお辞儀した。

すると日本人もつられてお辞儀する。

その瞬間低くなった壁の上を狙ってジェームズがボールを蹴った。

ボールは、見事ゴールに吸い込まれた。

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