峠の風景

 風が秋の世界を駆け巡る

 外は色とりどりのお化粧した山々が僕を楽しませてくれている


 魚が泳ぐ空

 野はバッタ天国

 ふと目をやると、そこにはカマキリが


 こんないい天気の日は家でじっとなんてしてられない

 下らない退屈を吹き飛ばそう

 空までは飛べないけれど風と共に峠を目指す


 仙人の目から見たらこんなだろうか

 見下ろして見るとまた壮大なパノラマが

 新鮮な感動を僕に与えてくれる


 こんなに世界は素晴らしかったのかと

 キラキラ輝く、まるでクリスタルのよう


 いつも僕は同じ場所からしか見てなくて

 それを本当だと思っていた


 でもそれは本当の一部でしかないんだ

 本当の本質は一点を見ただけじゃ解らない


 峠から見下ろしたこの風景は真実の一部を

 そっと静かに語ってくれた


 また風に誘われて今度はどこに行こうか

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