闇夜の独り言

 しいんと静まり返った夜

 虫の声だけが微かに響く部屋で一人

 深くこの刻を闇に刻み込む


 夜の世界の住人達がこちらを覗いている

 人なんてまだこの時間を手に入れて浅い只の新参者に過ぎない


 闇をそのままで過ごす事の出来ない我々は偽りの陽を手に入れた

 昼も夜も同じ様に動き続ける人々の流れ


 元からの闇の住人は闇の世界で生きるのみ

 昼の領域に手を出す事はしないんだ


 人だけが一日を変わらず動き続けている

 夢を見る事も忘れていつまでも目を光らせて


 昼も夜も働く街の姿はまるで何かに急かされているかのよう

 

 そんなに生き急いで人はどこに向かっているの?

 人の支配するこの大地の決着を告げる声はまだ聞こえない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る