前半の焦燥感を煽る描写は素晴らしく思いました。そこが地獄なんだと、漠然と想像してしまう程でした。何故そこに居るのか、何故そうしているのか。説明は無く、ただひたすらに焦りだけを助長する描写が続きます。そして後半。その全てが明らかとなり、奇妙なまでに得心し、そうしてタイトル通りの感想を、主人公と共感してしまいました。面白かったのか?と問われれば答えに困りますが、何故か心に残る作品でした。