第35話 女の勘は当たる(前編)
~一方その頃~
side ビチコ
ビチコ「むむむ!私の知らないところで何かフラグが立っている気がします!!!」
クラリス「あら、急にどうしたの?」
ビチコ「あ、いえ、何となくそんな気がしただけなので気にしないでください!」
クラリス「そう?あ、そう言えばそろそろギルドに行く時間じゃなかったかしら?」
ビチコ「ああっ!?忘れてましたぁ!で、ではクラリスお姉様行ってまいります!」
クラリス「ええ、気をつけて行ってらっしゃい」
そう言って私ことアイヴィス・チコは家を出た。
私がこの世界゛スヴァンフォルム゛に来てから1週間が過ぎていた。今ではここでの生活サイクルに欠かせないギルドと言う所にも所属しクラリスお姉様と和やかに過ごしつつ情報集めにも取り組む様にもなり始めた。私はギルドに向う道を歩きつつこの世界に来た時の事を思い出す……
****回想****
パァァァア
魔法陣が描かれ光だしその光が消えるとそこにはビチコが1人で立っていた。周りには中世ヨーロッパ系の家が一軒ある事とここが少し町外れの高台だという事がわかる。……そして今からしばらくは良男と会えないことも。
ビチコ「良男様……私、頑張りますから。だから次に会ったときは、いっぱいナデナデして下さいね?」
そうして涙目で決意を口に出したビチコ。
ビチコ「でも、これからどうしたら良いのでしょうか…?」
???「あらあらー?ここに迷子が来るのは2人目ね」
ビチコ「きゃっ!だ、誰ですか!?」
???「ふふふっ、驚かせちゃったわね!ごめんなさい。私はクラリス・コールターって言うの。あなたは?」
ビチコ「あ、私はアイヴィス・チコって言います!愛称はビチコです!」
クラリス「ビチコ?…………もしかして良男くんって知ってる?」
ビチコ「ッ!?な、何で良男様の事を!?」
クラリス「まぁまぁ落ち着いて!良かったら家にいらっしゃい!お茶でもしながらお話しない?」
****回想終了****
それからクラリスお姉様は私に色々な事を教えて下さいました。鳴海様との戦いの後、倒れていた良男様を介抱しその時に良男様が私の名を叫び泣いていたのを聞いていて私がその女の子だと思ったこと。あと、この世界がどんな所なのか。私たちの事もクラリスお姉様にどんな事があったのかを伝えました。聞き終えた後に私を抱きしめながら、
クラリス「私には何の力もないけれど…あなた達の心を支えることはできるわ。だから…これからは一緒に頑張りましょう!」
と言ってくださいました。…で、その後は
ビチコ「クラリス様…」
クラリス「クラリス様だなんて他人行儀だわ!んー、そうねぇ…お姉ちゃんってよんで」ニッコリ
ビチコ「ええええ!?むむむ無理ですよ!」
クラリス「えー、呼んでくれないとクラリスさん泣いちゃうよー?」
ビチコ「ーーッ、ネ……サマ。」
クラリス「んー?」
ビチコ「クラリスお姉様!これで譲歩して下さい!!」
クラリスは仕方ないわねー、とクスクスと笑うなど、楽しく親睦を深めていた。
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