第27話 ブレイクタイム

 






現世で通り魔に会って、オッサンに出会ってこの異世界に来ておおよそ一ヶ月になった。(正確には数えてないがだいたいソレくらいだと思う)

俺は、少しどころか現世で生きていた時よりも心身共に強くなっていた。


オッサンに、ティータニアが収める世界ワールドに飛ばれて4日目の朝が来た。

 むにゃむにゃと丸くなって寝ている、ビチコの隣で目覚めるのがたり前になりつつあり、とても俺は幸せだと感じ取っていた。


彼女を起こさない様に、静かに身体を起こしフカフカのベッドから降りようとした時何故か俺の服が重く感じた。


「・・・ツ。毎朝こうなると俺も参っちゃうよ(笑)ビチコ?お願いだから服はなしてくれよ?」

良男はそうビチコに優しくつぶやくと、

「・・わk・・り・・まぁ・ですぅ・・。すぅ・ZZZZzzzzz・・・」

すっと服を引っ張るのをやめた。

可愛い寝顔をした彼女の額にスッとキスを落とし、「朝の鍛錬先に行ってるから」なとぼそっと言い残し。

貸してもらっている、大きな客間からでた。


大きな廊下を歩きながら、

俺ってこんなカッコいいことする男だったのか?と幸せそうに自問自答していた。


「にしても、この宮殿でっかいよなぁ・・・。ぜってぇ某ネズミキャラとその楽しい仲間たちと触れ合えるテーマパークよりもでけぇぞ・・・」



少々、迷いながらも中庭につくとクラシカルなメイド服に透き通った琥珀色のシニヨンヘアでモノクルを掛けた、メイド長のサシェルが立っていた。

「おはようございます、良男様。お目覚め後のご気分いかでしょうか?」

スッと大人の優しい笑顔で毎朝、俺やビチコを待っていてくれている。


「サシェルさん、おはようございます!毎朝すみません、色々とあるのに俺やビチコの事をお世話して頂いて」


「いえいえ、メイド長というのはとても暇な立ち位置で、良男様方のお手伝いさせていただけて嬉しいですわ」

微笑む姿が、小さい時に台所で見た優しい母の姿と重ねてしまう。

母さん・・・と、つい言ってしまいそうで・・ギュッと彼の心が締め付けられた。


「 ッ・・。  サシェルさんのその笑顔を守りたいっす、その優しい暖かい笑顔を・・」


本当に、”母さん”といいそうになりそうでとっさに思いもよらぬことをゆってしまった俺は、サシェルさん困るだろうなと俯いた顔を上げてみたら、俺は驚いた。


サシェルさんは、いつも以上に優しい顔で

「とてもうれしいですわ、が増えていくと、とても強く鳴ります。ソレは、人でも私達妖精でも神様でも人獣ファーリーファンダムでも同じです。なので、たくさんの方と出会い別れて守るべきモノをたくさん見つけてくださいね!」


「・・・、はいッ!」


俺は、耳が赤くなり、目から雫がポロっと零れそうになった。

あまりにも、母と似ていたためか心が決壊しまいそうだ・・・


朝焼けの清々しい匂いをした風吹き、サシェルがサッと近寄り良男に優しくハグをし、まるで自分の息子の様に頭をそっと撫で

「良男様、目を閉じて今一番会いたいと思ってらっしゃる方を思い浮かべてください」


サシェルさんの言うとおりに、強く強く心から会いたいと思っている、幼き頃に死に別れた母を思い浮かべた瞬間だった。





『y・・・よっちゃん、よっちゃん・・・・目を開けてごらん」




聞き慣れた、

聞き覚えのある

優しい

懐かしい

あの人母さんの声が・・



目を開ければ、社宅に引っ越す前に住んでた団地の空き地に俺は立っていた。


「かぁ・・・さぁ・・・ん・・・・」


目を丸くした

目の前には、幼き日に見た母がコンクリ製のベンチに座っていた。


「うふふ、びっくりしたわ。天界5年以上お使えすると誓うと、生きてる血族の守護になれるってやさしい男の神様に言われて、現世に残してきてしまった子どもたち良男の姉弟の事が気が気でなくて、懇願したのよ、まさかよっちゃんがユグドラシルのリストから消えたのを知ってね、お母さんびっくりしてゼウス様に会いにいったら、ゼウス様が心配ないちゃんと生きてる、儂が保証する。って言ってくださって現世への干渉はルールに違反になるけど、適用されない場所に存在してる、時間を開けるチャンスをあげるから会いに行ってみなさいって言われて、お仕事ほっぽり出して来ちゃったわ」


おしゃべりで、フワフワとした口調なのにどっかせっかちな面がある、母さん・・


「かぁさんっ!!!俺ッ、おれェッ!!毎日のように母さんが好きだったカスミソウを供えてたッ」


「知ってるよ。

見てたよ、よっちゃんは優しい子だからね」

ふわっと微笑んだ。

その微笑みを見て、良男はこらえてた気持ちを吐き出した



「 あの時、 俺っ、かぁさんっを守りたかったっ!! いつでも、オヤジの代わりに母さんのヒーローになりたかった!!

  でも、でもっ・・・!」


「わかってるよ、よっちゃんおばあちゃんに貰った赤い風呂敷と縁日で買ったヒーローのお面とおもちゃの剣で、 ”僕が!正義のヒーローマンだぁー!!”って遊んでたものね。 

あの日、お姉ちゃんは部活の遠征でいなくてお母さんとよっちゃんだけだった、悪い人が入ってきた時ね、優しいよっちゃんの笑顔を守らなきゃって思ったから、ああしたの・・・、ソレくらいしかできなかったけど・・

立派になったよっちゃんの顔を見れて嬉しいよ」


薫風が吹いて、髪を抑えた母を見て。


「母さん、今度こそは俺守り通す。この先出会うかもしれない人のコトや大事な場所を守って見せるよ」


「頑張れよっちゃん、お母さん応援してるよ!どうしても、どうしても困ったり迷った時は白い封筒にカスミソウを入れて白い鳩に咥えさせて”白の間”まで持って行ってと言えばお母さんのところに届くからね、一番傷ついてたお姉ちゃんにはもう償いはたくさんしたから、次は一番我慢した、よっちゃんにプレゼントをたくさんするね!」


いつの間にか、母が立って俺の前に立ってた。



「うんっ、わかったっ!母さん俺、世界を守るよ!」


そう伝えると、


「無理しないいでね・・、良男あなたなら出来るわ」


そう言った、瞬間空き地の山桜の木が色づき山桜が満開になり強風が吹き荒れ


桜吹雪と共に、母は透き通った翼を身にまとっていて、


”行かなきゃ、大丈夫よ、また会えるわ”と言い残し


俺が、瞬きをした後


俺は、宮殿の中庭にあるベンチにいつの間にか座っていた。


「あれ・・・俺は・・・・?」

状況が飲み込めずに居た、横にの横にサシェルさんが座っていた。

「とある、神様からの贈り物です、少しながら私も幻想術でお手伝いさせて頂きましたわ。とてもステキな方ですね!憧れます」

私と似て、とてもステキな笑顔をされる方ですねとサシェルが言った。

「そうです、母は笑顔がステキな人なんです(照)」


「書庫にある、本で読んだことがあります。

 ”カスミソウ”は「清らかな心」「無邪気」「親切」「幸福」の意味を持つお花

 ”山桜”は「あなたに微笑む」「純潔」「高尚」「淡白」「美麗」の意味を持つお花」


ステキですね、良男様の世界のお花は全てにステキなそのお花にあった意味がつけられているんですからとサシェルさんは空を見上げて言った。







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?:はぁ・・、ホントどうなってんじゃ。なんで、ケルベロスの散歩に帳簿管理にデータベース作成などさせるか、なぜ奴らは働かないのじゃ!!!」

ケルベロス:” ”様は少し遊びすぎであるのはわかりますが・・.

?:ケルベロスよ、おらぁあの日遊んでたんじゃない、奴に嵌められてしまったのじゃッ!!勘違いするでない!調査に付き合ってくれるのなら、その本来の出ない惨めな姿から元に戻してやってもいいぞ!ついでに、食事もリッチにしてやろう!!!

ケルベロス:ぬっ、ソレは本当かっ!言ったな!!絶対だぞ!!その話ノッた!!

?:男と男の誓いだ、破りはせん。ことによっちゃ、今までのすべての根源がひっくり返る大事件になってしまうのだからの・・・・。



だから、小童の本来の力を借りた。と”  ”は言った。


ケルベロスも、首にリードを着けられた姿を川の水面で見て、

 

偶然と言うものは怖いですな。。と呟いた。



世界の歪みで遊び、自分のものにしようとするものと


世界のすべてを正す力の青年の同時的出現




To becontinue・・・・・・

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