第6話 白と黒
「ところで主様っ?一つお願いしてもいいですか?」
「なんだいビチコ、言ってごらん。」
あの日から時は二週間が過ぎようとしていた。ビチコこと‘‘アイヴィス=チコ‘‘と過ごす日々は今まで童貞だった俺には眩しすぎるほど刺激的だった。(童貞だったんじゃなくて童貞なんだけどね...)
まぁ、そんなことは置いといて、今俺はとても充実している!リア充!勝ち組!
一生この世界で楽しく過ごしていたい!そんなことを考えていたときビチコは言った
「私と一緒にこの第一階層‘‘始まりの森‘‘を抜けた先にある‘‘賢者の祭壇‘‘に一緒に行っていただけないでしょうか!?」
...だ、ダンジョンに行くだって!?!?冗談じゃない!!せっかく楽しい日々を過ごしているのにモンスターが出現するエリアに冒険に行くなんて!
「あー、ビチコ、行きたいのは山々なんだが、あれだ、モンスターが出るから危ないぞ?」
だって俺まだレベル1だし。装備だって初期装備...。勝てっこないよ。
「...でも、モンスターをどんどん切り倒していっちゃう主様...かっこいいだろうなぁ...。」
さぁ行こう!冒険の始まりだ!!
そんなこんなでビチコに乗せられて‘‘はじまりの森‘‘最終エリアのボス部屋の前まで来たわけだが、美少女の応援(という名のバフ系の魔法)はモンスターを一撃で倒してしまうほどに強力だった。サポートキャラクター恐るべし...。
「よし!このままボスもサクッといっちゃいますかぁ!」
-1分後-
「もぉ~、主様流石すぎますよぉ!あんなに強そうなボスまで一撃で倒しちゃうなんて、少し惚れちゃいましたっ!」
「お、おう。」
いや...ビチコさん?あのー、あの魔法なんですか...?急俺の体が光だしたかと思ったら一瞬でボス倒れてたんですけど...。まぁ、いっか。倒せたから気にしない事にしよう。
そんなこんな(二回目)で‘‘賢者の祭壇‘‘まで来たわけだが。
「ねぇ、ビチコ、ここに何かあるの?」
「そうね。」
ビチコの声のトーンが少し暗くなった気がする。
彼女は俺のもとに歩み寄り、かすかに微笑んだ...
ザシュッッッ...
「え...?ビチコ...?」
「ごめんなさい元主様...。」
足元は紅に染まり、遠くなってゆく意識の中、ビチコの隣に男の姿が一瞬見えた。
「久しぶりだな、良男。」
「な...鳴海...?」
なぜ鳴海がこの世界に...あいつもあの時殺されたのか?いやでもなぜビチコは俺を...。それに、ビチコの手には赤いチップのようなものが見える。俺の体に入ってたのか...!?
「わりーな、。どーしてもお前の
核...?神様...?なんなんだよ。なんでここで神様が出てくるんだ...?そんなことよりも俺...死ぬのか...こんなところで...?
死の間際に訪れる意識の長い感覚は終わりを告げ、ただ真っ暗な混沌の世界に引きずり込まれていった。
-過去ヲ変エタイト望ムカ-
「ああ、変えたいさ」
-ナラバ望メ ワタシヲ-
「望んでどうする、過去は変えられない」
-ワタシノ名を呼ベ-
-ワタシノ名ハ-
-
‘‘‘クロノス‘‘‘
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