第4話 リライフ (前編)
どこにでもいる
趣味はネトゲと同人誌で、仕事が休みの日は一日中ゲームしたり、
たまに飲みに出たりもする。
自分でも思うが、明るく喋るムードメーカー的な人間ではなく、
かと言って教室の隅で本を読んでるような暗い人間というわけでもない。
どこにでもいる絵に描いたような普通の人間。
そう、言うならば量産型。つまりザクのような人間だ。
友達が多いわけでもなく少ないわけでもない、
人気者でもなければこれといって人から嫌われることもない。
小学校から高校まで何をしたわけでもなくただ漠然と過ごし、
なんとなく大学に入り、普通の会社員として社会に出た。
ここまではごくごく普通の人生なのだが、
ひとつだけ普通の人とは違うところがある。
そう、恋愛経験だ。
大体の人は高校生、あるいは大学生くらいの頃には
彼氏彼女を作って青春を
学校からの帰り道に手を繋ぎながら一緒に帰ったり、
休みの日には2人で遊園地に行ったりしてお互いの時間を共有し合う。
しかし俺の場合は違った。
もちろん俺だって今まで好きな人がいたことくらいはある。
ただ、その子とは絶対に結ばれない運命だった。
そりゃそうだ。だって俺が初めて好きになった女の子は・・・
"ゲームの中のキャラクター"なのだから。
それ以来、俺はゲームに没頭してしまった。
結果、22歳 彼女いない歴=年齢の出来上がりとなってしまったわけだ。
そんな俺の平凡で退屈な人生に・・・事件が起きた。
ある週末、会社の同僚である鳴海とガールズバーに飲みに行った帰りに
不運にも通り魔を目撃してしまった。
当然、俺なんかがかなうわけでもなく逃げ切れるわけでもなく、
その場で殺されてしまった。
22歳 恋愛経験なし。無念にも俺の人生はこんなところで終わるのか
そう思ったとき・・・カミサマが現れた。
このカミサマはどうやら俺に第二の人生を与えてくれるらしい。
そして俺の今まで集めてきたエロゲや同人誌を対価に
"俺の望む世界"での人生を送らせてくれるらしい。
「MMORPGみたいな世界で俺がヒーローになれてハーレムな世界」
俺が望んだのは、誰もが一度は憧れるようなこんな都合のいい世界だった。
そんなわけで一度に色々なことがありすぎたせいか、
俺はすぐに気を失ってしまっていたようだ。
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