第3話
スタングレネードが轟音と閃光を放つ。
棒立ちとなった警備員たちを、私と莫邪のベレッタM93Rが吐き出す9ミリ弾が打ち倒していった。グランドゼロ内部は驚くほど無防備である。
私たちはPDAに表示されたグランドゼロ内部の見取り図を見ている月影の指示に従って、廊下を走った。ブラックソウルは後ろに続く。
本来であれば、体内に微弱電波を発信するチップを身体に埋めこまれた人間以外が侵入した場合、廊下がシールドで閉鎖され麻酔ガスで意識を奪われるシステムとなっている。しかし、月影の投入したウィルスによってシステムがダウンしている今、あきれるほど無防備な状態になっていた。
システムがダウンから復旧するのに、約30分はかかると見ている。ダウンから約20分経過した今、私たちは目的のポイントの目の前に来ていた。
曲がり角がくると、莫邪がスタングレネードを放る。炸裂と同時に、M93Rを撃ちながら、角を曲がった。6連リボルバー程度の武器しか装備していない警備員たちは、ほとんど抵抗することができない。
グランドゼロの外側には自動ライフルを装備した自衛隊員がいるが、彼らはブラックソウルが陽動のため爆破したポイントへ移動している。そのポイントには無数のトラップを仕掛けているため、入りこんだら容易には戻れない。
後5分もすれば、グランドゼロ内部に増援部隊が到着するはずだった。その時には、私たちは目的地についているはず。
私たちは、丸腰の月影を前後左右から囲む形で走ってゆく。最後の曲がり角についた。私はM93Rの弾倉を交換すると、莫邪がスタングレネードが放るのと同時に、そこへ飛びこむ。
三人の警備員は、あっさり倒れた。いくら9ミリ弾とはいえ、防弾チョッキの上から被弾したとしても、肋骨にひびくらいは入る。訓練された兵士ではない警備員たちは、それで十分戦意を失った。
警備員たちは、床に倒れうめいている。その向こうには頑丈そうな鋼鉄の扉があった。
ブラックソウルが獣の笑みをみせ、莫邪に囁きかける。
「バーレットだ、莫邪」
「やれやれ」
莫邪は背負っていたバーレット・アンチマテリアル・ライフルを取り出す。全長1.
5メートルはあるライフルだ。理論的には1キロ以上はなれているポイントでも狙撃できるしろものだけに、振りまわしはきかない。
莫邪は膝射で撃つ。轟音が響き渡った。莫邪は反動をうまく流しながら、連射する。
コンクリートの壁ごと扉の錠部分が破壊された。
「ハリウッド映画みたいじゃねえか」
「勘弁してくれ」
ブラックソウルの言葉に、莫邪は肩を竦める。
「おれはシュワルツネッガーじゃないんやからな」
莫邪は倒れている警備員に近づくと、バーレットの銃床で頭を殴り意識を奪ってゆく。気を失った警備員たちからリボルバーを奪うと弾を抜いて放り投げる。そして、私たちを手招きした。
私たちは破壊した扉を開き、その奥へ入る。そこは無人だった。エレベータが一機だけある。
エレベータの扉は、そばに操作パネルがつけられているが、電子ロックつきの蓋に覆われていた。莫邪が漆黒の左手で強引に蓋を開く。
「じゃ、後はまかせたで」
莫邪の言葉に頷いた月影がそのパネルに、自分の端末に繋がったケーブルを接続してゆく。月影の端末には、ハッキング用ソフトの操作画面が表示されていた。
「時間がないぞ」
ブラックソウルが時計を見ながらつぶやく。
「後3分ほどで、システムが復旧する。そうすればここは麻酔ガスで満たされてしまう」
「うーん、ここは地下から制御されてるからちょっと難しいねえ」
月影は暢気な調子で答える。両手は忙しくキーボードを叩いていた。
その時、部屋に紅いランプが灯る。警告ブザーが鳴った。スピーカーから声が流れる。
『許可の無い侵入は禁止されています、20秒後に麻酔ガスが放出されます』「おい、システムが復旧したぞ」
ブラックソウルは多少焦りのある声を出す。
「うーん、もうちょっと」
『10秒前』「あれ、ここはどうだっけ?」
月影のぽよんとした声に、ブラックソウルの目の色が変わる。
『5、4、3、2』
エレベータのドアが開いた。
私たちはそこに飛び込む。最後に端末を抱えた月影が入り込み、ドアが閉ざされた。
エレベータは地下に向かって動き出す。
莫邪はブラックソウルに微笑みかけた。
「この危機一髪具合も、ハリウッド映画か?」
ブラックソウルは苦笑した。
「なんにしても、グランドゼロのアンダーランドに侵入してからが本番だ」
ブラックソウルの言葉に莫邪が頷く。
「やれやれ、いよいよこいつの出番かよ」
莫邪はぼやきながら、バーレットの弾倉を交換する。私も背中からバーレットをとりだした。
アンダーランド=地下世界は酷く静かだ。静寂の世界であり、死の世界でもある。
壁も、床も全て白く、私たちは純白の迷路に迷い込んだような気持ちになった。ここは人間が活動することを前提につくられた場所ではない。というよりも、生命が存在することを前提としていない。
地上の生命から隔離され、異質の、地上の生命史ではありえなかったような生命体を生成するための場所。それがこのグランドゼロのアンダーランドだ。
私と莫邪がバーレットを持ち、月影とブラックソウルを前後にはさみ込む形で移動していく。月影は相変わらず手にしたPDAに表示される情報を見ながら歩いている。
なんの目印もないこの純白の迷宮では、確かにデジタルな情報に基づいて移動しなければ目的地に辿りつくことは不可能だろう。
それにしても。
私はこの生きるものの気配が存在しないアンダーランドに入ってから、奇妙な感覚を感じていた。何かに見つめられているような。
あるいは、誰か懐かしい人がこの先にいるような。
そんな奇妙な感覚。
「あらら、見つかったよ」
月影が暢気な声を出す。
「まあ、しかたないわな、予定通りや」
莫邪はそういうと、円盤状のものを十枚ほどとりだした。
「前後からくるよ」
「はさみうちかいな、やれやれ」
莫邪はその円盤を、五枚づつ前後にばらまく。廊下にばらまかれた円盤状のものから、風船のようなものが膨らんでいった。その風船は人の形を形成してゆく。
警備システムを欺くためのダミーだ。形態が人型をしているだけではなく、体温に相当する熱量も放出しており、心音や呼吸音も偽装している。人型のダミーはモーターに駆動され廊下を動きはじめた。
アンダーランドに侵入した直後にやはりダミーを十個ばらまいたのであるが、結局大した時間かせぎにはならなかったようだ。
通路の前方と後方。
そこから警備ロボットたちが現れた。
アンダーランドはロボットたちの世界といってもいい。人間は生物兵器による汚染を避けるため、必要最低限しかここにはいない。必然的に作業の多くをロボットにまかせることになる。
ロボットたちは、皆白い装甲板に覆われており動く墓標のようだ。白い廊下や壁に解け込んで、何かリアリティの無い幻想的な存在にすら見える。
白い幽鬼とでもいうべきだろうか。
ロボットは、前に三体、後ろに三体現れている。長い手を床につき、類人猿にも似たやりかたで歩きながら移動していた。
私と莫邪はバーレットを構える。
ロボットの肩にとりつけられた自動ライフルが発射された。圧縮されたエアによりワイアーのついた針を飛ばすものであるため、音はほとんどしない。
私たちの前後にあるダミーが炸裂する。ロボットは温度と形態で人間を認識するため、ダミーと人間を見分けることができない。
放出されたワイアーつきの針に高圧電流がながされ火花をちらす。ここでは設備を破壊することを避けるため、銃弾を撃つ銃器を装備したロボットは存在しない。いわゆるテイザーガンとよばれるものが装備されている。
高圧電流を流した針を飛ばし、人体にふれたとたん失神させるというものだ。射程はそう長くないが、十分有効な武器ではある。
私と莫邪は、バーレットを撃った。
轟音が純白の迷宮を満たす。
強力な反動で、眩暈がする。立射には向かない銃だ。しかし、威力は予想通り強力だった。
拳銃弾どころか自動ライフルの銃弾ですら貫くことができないロボットの前面装甲は、バーレットの銃弾にはさすがに耐えれなかったようだ。六体のロボットはあっさり破壊される。
白い幽鬼たちは、青白い火花をあげながら、純白の床へ打ち倒された。
「ちっ、まだきやがるよ」
さらに三体ずつのロボットが前後に現れる。ダミーはもうないが、テイザーガンの射程は短い。バーレットなら余裕で倒すことができる。
突然、両側の壁が開く。ただの壁と思っていたところに、ドアがあったようだ。私たちはさらに二体のロボットに左右を挟まれた形になる。
「くそっ」
莫邪と私たちはバーレットを撃つが、左右のロボットまで手が回らない。
ブラックソウルは腰からデザートイーグル50AEを抜くと、至近距離でロボットに発射した。12.7ミリという最大のマグナム拳銃弾がロボットのカメラアイを直撃する。
一体のロボットは動きを停止した。
月影は背中から蝙蝠傘をとる。
柄の部分を傘から抜くと、そこに現れたのは細身の剣だった。
ただ、刀身が半ばで断ち切られている。月影は、そのブロークンソードを一振りした。
白いロボットは動きを止める。
その胴体の上半身がゆっくりずれていく。胴を両断されたロボットは、床に倒れた。
ブラックソウルは口笛をふいた。
「すげえな」
『刀身の中に、チタンクロームのワイアーを工業用ダイアモンドでコーティングした、ワイアーソウが仕込まれてる』
ゴスロリ人形が解説した。
私たちは全部で十四体のロボットを破壊したことになる。ただ、ここにはさらに倍以上のロボットがいるはずだ。
「先が思いやられるで」
莫邪がぐちりながら、バーレットの弾倉を交換する。
「また、くるよ」
「速いな」
PDAをチェックした月影の言葉に、莫邪と私はバーレットを構える。
「待って、今度は一体だけだ」
「なんやて」
私の前方に、ロボットが姿を現す。反射的に私はバーレットの狙いをつけた。
「撃たないで」
月影の言葉に、私はトリッガーを引くのを思いとどまる。そのロボットはさっきの警備ロボットと異なるタイプのようだ。テイザーガンを装備していない。
その形態は、動くドラム缶に似ている。手足はついておらず、下部についたタイアで移動しているようだ。
その頭にあたる部分には液晶ディスプレイとカメラアイが装備されている。二本の白いアンテナが液晶ディスプレイの後ろからつきだしており、兎の耳を思わせた。私は銃を降ろす。私たちにそのロボットを通じてコンタクトをとりたいものがいるようだ。
私たちと2メートルほどの距離を隔ててロボットは停止した。同時に液晶ディスプレイに光が灯り、青く輝く。
その青い画面上にぼんやりと人の顔が浮かびあがった。カメラの焦点があっていないぼやけた画像ではあったが、人の顔であることは判る。おそらく男性、そして初老の男のようだ。
ロボットは語りはじめた。
『ようこそ、グランドゼロ・アンダーランドへ』
莫邪が肩を竦めて答える。
「楽しませてもらってるで。中々アトラクションが豊富やな」
『それは何より。私はここの責任者、クライン・ユーベルシュタインだ。君たちに休戦を申し出に来た』
「なんやて」
莫邪が目をむく。ブラックソウルは薄く笑みをうかべていた。
『我々の戦力では君たちを阻止できないことが判ったのでね。無用なことはしたくない。このロボットが君たちを私のところまで案内する。そこで君たちの望みを聞こうではないか』
莫邪は鼻をならすと、ブラックソウルを見る。罠とすればあからさますぎた。といってユーベルシュタインのいうことをそのまま受け取る気にもならない。
「いいだろう」
ブラックソウルは薄く笑みを浮かべたままいった。
「あんたと会おう。それから取引をしようじゃないか」
『ありがとう。ではついてきてくれ』
男の姿が消える。ディスプレイに青い光が戻った。
青い光。
その光が突然、私の心に突き刺さった。
あたりに青い光が満ちてゆく。いや、それは青く輝く水だった。アンダーランドの白い廊下を青く輝く水が満たしていった。私はその水の中に飲み込まれる。
水の中を。
漂う。
「おい」
莫邪が私の肩を掴んだ。私は幻覚から目覚める。
「どうしたんや?顔色がみょうやで」
「なんでもない」
私は首を振った。私たちは兎の耳を持つロボットの後を追って歩きだす。
夜の空が私たちを優しく包み込む。
私たちは夜に属するもの。
闇に生きるもの。
漆黒のピロードとなった夜空が私たちを静かに愛撫する。
翼が空気を受け、私たちの体を上昇させた。
私たちは、背に竜の翼を持つ。水晶の破片を散りばめたような、天空に広がる漆黒の星空。そこを竜の翼で風にのり、私たちは滑空する。
私の前を飛ぶのはヴァンパイア・アルケーにして、魔族の女王であるヴェリンダ様だ。私たちのゆく先には、石で出来た巨大な塔がある。
ここに棲む人間どもがグランドゼロと呼ぶ場所。
そして、そこはヴァルラ様の捕らわれている場所でもあった。
ブラックソウルは、既にそこへ侵入している。自ら囮となり、グランドゼロの警護をしている兵たちを撹乱していた。
私たちは、漆黒の天空高く舞い上がる。そして、巨大な石の塔へ降り立った。私たちの背中の翼は、折りたたまれ身体の中へ取り込まれてゆく。
私たちを運んでいた風の精霊たちも、同時にどこかへ去っていった。ヴェリンダ様は黄金に輝く髪を闇の中で靡かせ、あたりを見まわす。その姿は、野性の獣だけが持つ高貴さを備えている。
「美しいな」
グランドゼロの周りの地表は闇に覆われているが、少し離れた街全体は色とりどりの光に満ちている。ヴェリンダ様は、宝石箱の中を撒き散らしたような煌きを持つ地上を見渡していった。
「面白いとはおもわないか。あんな無様で惨めな生き物である人間たちが、このように美しい世界をつくり出すとは」
私は無言で頷く。
私は腰のホルスターから、巨大な拳銃をとりだした。砂漠の猛禽という名を持つその武器を手にする。ヴェリンダ様にとって家畜にすぎない人間たちを、恐れる必要は無い。しかし、ここは伝説の地デルファイだ。魔道の通じない存在が支配する場所がある。
グランドゼロ・アンダーランド。
その地にこそ、ヴァルラ様が捕らわれている。
「そして、人間たちは魔道の必要がない世界を造りあげた。結局のところあの醜悪な存在どもは、神に愛されていないことをよく理解しているのだろうな。だから全て自分たちの手によって造りあげてゆく。天上の美を地上へ。天上の楽園を地下へと」
ヴェリンダ様は侮蔑をこめた笑みを浮かべる。
「では行こうか、ヌバーク。家畜のつくりあげた機械仕掛けの楽園へ」
私はヴェリンダ様の先に立って、歩きだす。私たちは地下へと向かう。生あるものでもなく、死せるものでもない、奇妙な存在によって支配されている場所アンダーランド。そこが私たちの向かう場所。
私たちは塔の中に入り、鉄の箱に乗った。鉄の箱はゆっくりと沈んで行く。アンダーランドに向かって。
そこは青い光に満たされていた。
青い空間。
静かで儚げな色に満たされている。
薄暗く、そして透明な世界。
満たされているのは、水だった。巨大な水槽が壁面のひとつに嵌め込まれている。
その巨大な水槽の中に白い影があった。
まるで湖の底であるかのような、静寂に満ちた空間だ。私は自分の頭の中が、青い波動に埋め尽くされていくのを感じる。
これはいつもの白昼夢だった。私は自分が幻覚の中にいるのか、現実にいるのか区別がつかなくなっている。全てはこの瞬間のために用意されていたことのようだ。
青い光。
それは無数の微粒子となり、あたりを漂う。
きらきらと。
私の心の中もそれで満たされていく。
白い影。それは巨大だった。およそ、4メートルくらいはあるだろうか。何か大きな海獣を思わせる。
しかし、それは違った。青い闇の中から浮き上がってくるその白いもの。それはまぎれもなく、人間の形をしている。
青い空間を遊弋する白い人影。その巨人は、黄金の髪を持ち、金色の瞳を持つ。その青い瞳、仄暗い空間の中でサファイアの輝きを放つその瞳がゆっくりと、私のほうを、向く。
私がその瞳に映る。
そして、その巨人の顔は、私だった。
私が私を見つめている。
私は青い闇を漂う。
浮遊。
無数の青い微粒子が轟音となって私の体を覆ってゆく。世界が揺らいでいた。私は私を見つめる。バーレットを構え水槽を凝視している私を見つめていた。
青い。
轟音が。
世界を覆い尽くす。
「ここは、一体なんや」
唐突に発せられた莫邪の声が私を現実に引き戻す。私たちが兎の耳を持つロボットによって導かれたその部屋には巨大な水槽がある。そして、そこに漂うのは全長4メートルの巨人。
私たちのいる部屋は、ちょっとしたホールくらいの広さはある。水槽の大きさは、奥行きはよく判らないが、私たちに見えている部分は映画館のスクリーンくらいはあるだろうか。
巨人は生きているのだろうか。ここから見ただけでは、判らない。ただ死体の持つ淀んだ雰囲気は無い。むしろ眠っているように見えた。瞳を開いたまま、白昼夢の虜となっているかのように思える。
莫邪はブラックソウルを見ていった。
「おまえは、これを知っていてここへきたんやな。どういうことか説明してくれ」
ブラックソウルは薄く笑っている。その笑みを頬に貼り付けたまま、呟いた。
「それはおれの仕事じゃない」
ブラックソウルの眼差しの先には、兎の耳をしたロボットがある。ロボットは方向を転換し、私たちのほうを向いた。突然、そのロボットの前面装甲が開く。
中から小さな人間が姿を現す。身長は1メートル以下だろうか。6歳子程度の大きさだ。
ただ、いわゆる小人や子供と大きく違うのは、その身体を構成する比率だった。普通、小さな人間は頭の大きさが身体に対して大きくなるものだ。しかし、その小さな人間は、普通のサイズの人間をそのまま縮小したような比率の身体を持っている。
いうなれば、人間を縮小コピーしたような身体とでもいえばいいだろうか。
その縮小された人間は笑みを浮かべていった。
「ようこそ、グランドゼロ・アンダーワールドの中心へ。私が、クライン・ユーベルシュタインだ」
ロボットから離れたユーベルシュタインは、ゆっくりと歩き水槽の前に立つ。背後から青い光を受けているためその顔は影となり、表情は読めない。しかし、微笑んでいるようだ。
「あんたが、一体ここがなんなのか説明してくれるという訳か?」
莫邪の言葉に、ユーベルシュタインはゆっくりと頷く。
「それは半世紀近く前からの物語になる」
ユーベルシュタインは学者のようにゆっくり落ちついた声で語り始める。
「人類はかつて月へ行った。その時見出したものが、君たちが今目の当たりにしている巨人なのだ」
私たちは息をのむ。
「月には、何体もの眠れる巨人がいた。私たちはその体組織を一部切り取ると、クローン技術を使って地球上で復元した。それがこの水槽で眠る巨人だ」
「そんなことは」
莫邪の言葉をユーベルシュタインが遮る。
「確かに、一切公表されたことは無い。しかし、元々巨人が月に眠っていることを知っているものはいた。それがゼータ機関だ。ゼータ機関は月に人類を送り込むための資金提供を影で行い、巨人の体組織を得ると同時にその資金提供を打ち切った。そして、こんどはその体組織から巨人の復元をするためのプロジェクトを立ち上げたのだよ」
信じがたい話だ。ユーベルシュタインが私たちをこの部屋に招いてから話を始めた理由が判った。もし、巨人を見ないままこんな話を聞いたとしても、とても信じられなかっただろう。
「ゼータ機関が誰の手によって運営されているのかあんたは知ってるか?」
ブラックソウルの言葉に、ユーベルシュタインは首を振った。
「いや。超国家組織であるゼータ機関の中心に誰がいるのかは誰もしらない。太古から存在する秘密結社がその前身らしいが、噂の域を出ない。ただ、ゼータ機関はその巨人が私たちの世界を破壊することを知っていたのは間違いない」
「破壊するって、どういうことや」
莫邪が問いかける。
「巨人は、この世界の物理法則を歪める力を持つ。その力はウィルスのように感染し広がってゆく。もし、巨人が目覚めれば世界は完全に崩壊するだろう」
「なぜ、ゼータ機関はそんなものを地球に持ちこんだんや」
莫邪の言葉にユーベルシュタインは首を振るだけだった。
「それを知るものはいないのだよ。巨人はいずれ目覚める。それに対抗する手段を私は造りあげた。それが」
「小人になることだな」
ブラックソウルは嘲るような笑みを浮かべて、ユーベルシュタインの言葉を遮った。
ユーベルシュタインは、深く静かに頷く。
「時空間を支配する物理法則が安定しないのであれば、それを防ぐために私たちの身体を構成する次元界を圧縮して安定させてやればいい。そのために私はゼータウィルスを造りあげた。そして、そのウィルスに感染したものは身体が縮小する。厳密には身体を構成する原子の五次元以上の次元界を圧縮することにより縮小させるのだ」
「原子そのものを圧縮する?」
莫邪の言葉にユーベルシュタインは頷く。
「その通り」
ユーベルシュタインが厳かに言った。
「これが人類を救う唯一の方法だ」
「おれは知っているよ」
無造作にブラックソウルが言った。怪訝な顔をしてユーベルシュタインはブラックソウルを見る。
ブラックソウルは狼の笑みを浮かべていた。
「ゼータ機関は人類がどうなろうと興味は無い。滅ぼうが生き長らえようが、大した問題じゃない。なぜなら」
ユーベルシュタインは不思議なものを見るようにブラックソウルを見ている。
「巨人を地球上に復活させることだけが目的の機関だからだ。そして、ゼータ機関を支配するものは、巨人をこの宇宙に造りあげた存在でもある」
「馬鹿な」
ユーベルシュタインは戸惑った声を出す。
「もし、そんな存在がいるとすれば」
ブラックソウルは邪悪な笑みを浮かべた顔で頷く。
「そうだ」
ユーベルシュタインは蒼ざめる。
「その存在は人間ではない」
「ああ。おれたちの世界では邪神グーヌと呼ぶ」
「おれたちの世界?」
そのとき。
巨人が。
ゆっくりと。
動きだした。
私の全身を青白い火花が覆い尽くす。漆黒の肌に絡みつき電撃の火花を散らすテイザーガンのワイアーは、夜空を走る彗星のようだ。
私は電撃を放つワイアーを引きぬくと、ロボットへと近づく。そのカメラアイに、金属の猛禽をつきつけるとトリッガーを引いた。
轟音。
金色に煌くカートリッジが純白の床に落ち、澄んだ音をたてる。
ロボットは火花を散らしながら、幾度が痙攣した。やがて、装甲の隙間から煙をあげて停止する。
私の後ろでも爆音が響く。ヴェリンダ様がロボットを破壊し終わったようだ。私はヴェリンダ様に声をかける。
「急ぎましょう、ヴェリンダ様。ロボットたちの数が増えてきています。ブラックソウルたちが陽動するのも、そろそろ限界のはずです」
ヴェリンダ様は頷き、走りだす。
白い廊下。
白い壁。
その純白の迷宮を、私たちは黒い風となって疾走する。白い機械人形であるロボットたちは、まだ数体しか出会っていない。おそらく数十体と一度に出くわしていれば、私たちの手にはおえなかったに違いなかった。
何も目印らしいもののない、グランドゼロ・アンダーランドだが、私の頭の中には通路の地図が記憶されている。私は確信を持ってヴェリンダ様を導いてゆく。
そして、その部屋の前についた。
白い扉。一見しただけではその壁に扉があることは判らない。しかし、私の目には、はっきりとその存在を感じ取ることができる。なぜなら、その奥からまぎれも無いヴァンパイア・アルケーの気配を感じるからだ。
しかし、それは酷く微弱だった。なんらかの方法で、家畜どもはヴァルラ様の力を封印しているらしい。そうでもしなければ、魔族の王であるヴァルラ様を封じていられるはずはないのだが。
私は腰につけたウェストバックから携帯端末を取り出す。壁の一部を私は開くと、そこに現れた操作パネルに携帯端末をケーブルで接続する。
私はブラックソウルに教わった通りに、携帯端末を操作した。ため息のような音をたてて、扉が開く。そこは部屋は闇に埋め尽くされていた。
私たちはその闇に満たされた部屋の中に入り込む。闇の中に青く輝くものがあった。
私はその円筒形の仄かに光を放つ物体を見つめる。
それらは水槽のようだ。水槽は全部で五つあった。そして、その水槽の中には、顔が浮かんでいる。青く輝く宇宙に浮かぶ闇色の月のような。それは。
ヴァルラ様の頭だった。
私は息を飲む。
後ろでヴェリンダ様が苦笑した。
「やれやれ、家畜どもも、無粋なことをしたものだ」
水槽の中にはヴァルラ様の身体の各部が分散して収められている。ある水槽には、腕が。ある水槽には足が、ある水槽には胸が。
薄く青く輝く水槽の中で、黒い影のように各身体のパーツが漂っている。
「なるほど、これではいかな我が弟といえ、魔力を使うことはできまい」
ヴェリンダ様は、鋼鉄の拳銃を構える。
「救ってやるぞ、我が弟よ」
金属の猛禽は、闇の中で火を吹いた。
巨大な水槽の中。
巨人はゆっくりと動く。
その様は、深海で海獣が身をよじる姿に似ていた。巨人はゆらりと拳を振り上げる。
その拳が水槽のガラスに叩きつけられた。
一度。
二度と。
水槽に稲妻のような亀裂が生じる。
ユーベルシュタインが息を呑んだ。
「馬鹿な。ライフル弾でもこのガラスは破壊できないはず」
しかし、ガラスにひびが走ってゆく。ユーベルシュタインは、再びその小さな身体を兎の耳を持つロボットの中に収めた。
莫邪が私の隣でバーレットを構える。
私もそれになにらって、バーレットを構えた。月影も、蝙蝠傘から剣を抜く。ユーベルシュタインの乗ったロボットは床に開いた穴の中へと消えて行く。
ついに、巨人の一撃の前にガラスが砕けた。水がきらきらと輝きながら、部屋に流れ出してゆく。
巨人は水の中に立ちあがった。その姿は、まるで深い森の中にある湖の中から生まれ出でた精霊のように美しい。金色の髪は燃え盛る炎のように肩へかかり、その輝く瞳は冬の空の清冽な光を宿す。
私たちの見ているこれは、なんだろう。
私は再び、幻覚と現実の区別がつかなくなる。私が私を見つめている。
どこかで見た景色。
どこかで出会ったできごと。
私は。
夢の中にいる。
巨人は一歩踏み出した。どこかぎこちない、一歩。ゆっくりと踏み出す。
「おい、アリス!」
莫邪が叫ぶ。
気がつくと巨人が目の前にいた。そんなはずはない。だって、巨人はあそこにいたはず。でも、今は私を見下ろしている。目の前で。そんなはずは。
巨人が。
手を。
伸ばす。
「うわあああああああああああああ」
私は無意識のうちに、バーレットのトリッガーを引いていた。その強力な銃弾は、巨人の胴体を貫く。私の視界が真紅に染まる。
巨人の血を全身に浴びた。巨人はどさりと私の前に崩れ落ちる。しかし、その瞳は私を見つめ、両の手は恋人を求めるように私に向かって差し出された。
血が流れる。湧き出す泉の水のように、部屋に満たされた水を紅く染めていった。
私はその真紅の湖に浮かんでるような気持ちになる。青く。そして、紅い。
巨人が。
私を見つめて。
「あああああっ」
私は再び絶叫して、バーレットを撃つ。その反動を押さえきれず、私は水の中に倒れる。私は青く紅いその水の中に溺れた。
漂う。
水の中を。
そして、それは闇を切り裂く稲妻のように、私の心に訪れた。
判った。私は。思い出した。
私は立ちあがる。莫邪を。そして、月影を見る。
私は心に浮かんできたその言葉を、語った。
「私はラーゴスのフレヤ」
世界が急速に歪み始めた。
青い水と、透明なガラスの破片を撒き散らしながら、水槽が破壊されてゆく。しかし、ヴァルラ様の漆黒の身体は、宙にとどまっていた。その各身体のパーツは淡い金色の光によって覆われている。
ヴェリンダ様は小声で呪文を唱え続けていた。
こんな地下奥深い場所でも、ヴェリンダ様は精霊の力を呼び起こしている。ただでさえ、精霊の力がとどきにくいこのデルファイで、しかもこのアンダーランドでその力を使うのはヴェリンダ様でさえもかなり消耗してるはずだ。
ヴァルラ様の身体が繋がってゆく。
手が、足が、胴体が宙を動き、繋がっていった。
闇の中に漆黒の貴公子が蘇る。
真夜中の太陽のように金色に輝く髪を靡かせ、ゆっくりと床に舞い降りた。
ヴェリンダ様は、消耗したのか床に膝をつく。ヴァルラ様は、その身体を支えた。
「世話をかけたな姉上」
ヴェリンダ様は苦笑する。
「全くだ。再びこの地にくることになるとは思いもよらなかったぞ」
「ではいきましょうか」
ヴァルラ様は闇色の笑みを浮かべる。
「あなたを慕うあの狂人、ガルンを始末しに」
ヴェリンダ様は眉を曇らせる。
「やつがここに?」
「もちろん。ここはあの狂った男の世界だ」
私たちは、ヴァルラ様に従って、さらにグランドゼロ・アンダーランドの奥深くへと踏み込んで行く。
全てが歪んでいくのを感じる。
私の傍らで莫邪の身体が縮んでゆくのが判った。後ろにいるブラックソウルや月影の身体も縮小していっている。
ここは、デルファイ。
私の中に記憶が蘇りつつあった。気がつくと、私の身体が金色の光に包まれている。
私は自分の身体を見下ろす。私は純白の鎧を纏っている。そして、手にはバーレットではなく長剣があった。
莫邪たちの姿も変貌してゆく。その姿はデルファイに入り込むときのバクヤとエリウスの姿に変化した。いや、戻ったというべきなのか。
エリウスの手にしているのは蝙蝠傘に仕込まれていた剣ではなく、あのノウトゥングだ。そして、ブラックソウルも灰色のマントを纏った姿で佇んでいる。
水槽の中にいた巨人の死体はどこにもない。その身体は崩壊してしまったようだ。
細かな微粒子となって、水の中に解けてしまったらしい。
バクヤとエリウス、それにブラックソウルの身体は半分くらいの大きさまで縮小していた。しかし、私の身体はそのままだ。アリス・クォータームーンの身長そのまま。
それにしても、アリス・クォータームーンとは誰なのか?
私なのだろうか。
記憶を失う前の私?
それとも、それは存在しないこの死者の都での幻影にすぎないのか。
私は自分の身体を包んでいた光が次第に縮小してゆく。その光は次第に私の身体から離れ、私の目の前の空間に凝縮しはじめた。
光は凝縮するとともに、眩さを増す。それは銀河の彼方に出現した超新星のように、鋭角的な光で部屋の中を照らし出した。
そして。
その光は実体を持ちはじめる。
光は球形の物体となった。その物体は林檎の形をしている。私はそれを見た憶えがあった。それは、あの天空城エルディスで見たもの。
それは見るものの心を吸い込むような。そして、私の周りの世界全てがただの陽炎のように儚く見えてしまうような。そうした強烈な存在感を放っている。
それは世界の裂け目。
そして、黄金の林檎という名を持つ。
力がその光を囲み渦巻いているのが判った。細かなエネルギーの微粒子がざわざわと蠢きつつ光を放ち、黄金の林檎を取り囲んでいる。
それは巨大なエネルギーのタイフーンであり、黄金の林檎はその嵐の目であるといってもいい。黄金の林檎そのものは静かであり超越していた。誰もそれに触れることができない、誰もそれを理解することができない。そうした超絶した場を纏っている。
突然。
私の視界がその黄金の林檎によって覆い尽くされた。私は足元から地面が消失してしまったのを感じる。そして、私の意識はその眩い光の中へ吸い込まれていった。
ブラックソウルは何かに憑かれたもののように、その黄金の光を見つめている。
バクヤは自分の左手を動かしてみた。いつものメタルギミックスライムの感覚どおりだ。突然蘇った記憶は、この死霊の都デルファイで与えられていた擬似記憶とまざりあい、バクヤを混乱させている。しかし、身体感覚は間違い無くいつもどおりだ。
いつでも闘うことができる。
しかしバクヤは目の前にブラックソウルを見ながら、その仇敵に戦いを挑むことを躊躇していた。
あまりに自分のおかれている状況が奇妙であったためと、目の前にある巨人フレヤを呑み込んだ光が思考を奪っていたためだ。それは、おそらく黄金の林檎と呼ばれるものなのだろう。だとすれば、自分がそれを見たのは二度目だと思う。
ブラックソウルは叫ぶ。
「ヴェリンダ。いよいよ、時がきたぞ!」
その言葉と同時に、部屋の中へ二人の魔族とヌバークが入り込んでくる。魔族の一人は間違い無くヴェリンダ。そして、もう一人はおそらく魔族の王ヴァルラ。
「あらら」
エリウスが暢気に呟く。
「僕たちの仕事はもう終わったわけ?」
エリウスの言葉を無視して、ヴェリンダはゆっくりと黄金の林檎へ近づく。それを封印するための呪文を唱えながら、両手を差し出す。
その時。
銃声が轟いた。
ヴェリンダは胴を銃弾に貫かれ、床に倒れる。そして、封印された黄金の林檎が床に落ちた。
真紅の華が咲くように、ヴェリンダの血が水の中に広がる。ヴァルラが駆け寄った。
「姉上」
「蘇ったか、ヴァルラ」
ヴァルラは声のしたところ、頭上を見上げる。天井にハッチが開いていた。そのハッチから影が舞い降りてくる。
ヴァルラの目の前に、漆黒の影が降りたつ。
それは闇色の巨大な鳥のようだ。鋼鉄の翼が、闇夜のように広げられた。
そして、それは機械でもある。
夜のように暗い翼を持つ機械人形。
その人型をした漆黒の機械は、闇色の天使のようだ。そして、その人形の顔はまさに天使のように無機的な美しさを持っていた。
ヴァルラはその顔を見て呟く。
「貴様、ガルン」
ガルンと呼ばれたその戦闘機械は美しい仮面のような顔を、ヴァルラへ向ける。機械とは思えない滑らかな動作だ。
そして、ガルンは巨大な拳銃デザートイーグルを手にしていた。銃口はヴァルラへ向けられている。
「動かないほうがいいな」
ガルンは、言った。
「この拳銃であればいかに魔族といえども身体を破壊されてしまう。まあ、死にはすまいがあまりやりたくはない」
ガルンは黄金の林檎を手に取る。
「やはり、これはおれが持っていたほうがいいだろう」
ガルンは聖母の笑みを浮かべた顔を、ブラックソウルのほうへ向ける。
「残念だったな、ブラックソウル。世界を滅ぼすなど、あきらめるほうがいい」
ブラックソウルが叫ぶ。
「エリウス王子、やつを斬れ!」
エリウスは反射的に手をノウトゥングにかける。その瞬間、ガルンの手にした黄金の林檎が凄まじい光を放った。光は一瞬部屋全体を満たし、エリウスの視界を奪う。
光は数秒ほどで消え去った。視界が戻ったときには、漆黒の天使のようなガルンの姿は無かった。腹部を鮮血で染めたヴェリンダがヴァルラに支えられ、ゆっくり立ちあがる。
「ヴェリンダ」
ブラックソウルの問いかけに、ヴェリンダは薄く笑みを浮かべて答える。
「デルファイでは傷の治りが遅い。ガルンはアルケミアへ戻ったぞ、ブラックソウル」
ブラックソウルは頷くと、バクヤを見る。
「さて、バクヤ。お前はどうする。ここでおれと戦うつもりか?」
バクヤは苦笑を浮かべて首を振る。
「やめとこう。とりあえずはそちらのヌバークと約束したからな。ヴァルラがガルンを倒すのを見届けるまでは、休戦や」
ブラックソウルは満足げに頷く。
「ヌバーク、我々もアルケミアへ戻ろう」
ブラックソウルの言葉に、ヌバークは頷いた。ヌバークは指先を少し歯で傷つけ、血を垂らして水面に魔法文様を描いてゆく。青白く輝く水の上に垂らされた真紅の血は、描かれた文様を崩さずそのまま留まっていた。
「皆さん、集まってください」
ヌバークの言葉に二人の魔族、それに三人の人間が文様の中へと入り込んでゆく。
ヌバークは呪文を唱えていた。
バクヤは、その文様の中へ入ったとき、奇妙な感覚を感じる。それは、丁度このデルファイと呼ばれる世界へと入り込んできた感覚。そして、幾度か魔法的世界に入り込んだときに感じる感覚と同じものだった。
全身が違和感を感じて微かに震える。
世界が歪んでいく感触。
空間そのものが、振動し細かく分解していくような。
そして、突然足元の感覚が消失した。
バクヤは青い宇宙のただなかへと、ほうり出される。
気が遠くなるような無限を、一瞬だけ感じた。そして、意識は闇に呑まれる。
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